sora tob sakanaにみるオルタナティヴ・アイドルの在り方

その特異な音楽性で”アイドル”という枠を更新しているsora tob sakanaが、5月16日リリースのミニアルバム「alight ep」でメジャー・デビューする。

アイドルシーンに衝撃を与える楽曲のリリースを重ね、徐々にグループの輪郭と方向性を明瞭にしつつあるsora tob sakanaは、メジャーデビューを経て7月1日には国際フォーラム ホールCにて結成4周年記念ワンマン・ライヴを予定している。

今回、sora tob sakanaの存在を通して、混沌とする女性アイドルシーンに現れた「オルタナティヴ・アイドル」と呼べるムーブメントをキャッチしてみたい。

「アイドルとは何か?」を問うsora tob sakanaの存在

sora tob sakanaは老舗芸能育成所「テアトルアカデミー」がアイドル養成クラスの生徒をアイドルとして売り出すべく実施している「ふらっぺidolぷろじぇくと」の第二弾ユニットとして2014年から活動を始めたアイドルグループである。

sora tob sakana / Lightpool

デビュー曲「DASH!!!!」は、どうにもならない駄アイドルソングだったが、オリジナル2曲目「クラウチングスタート」より、バンド「ハイスイノナサ」の照井順政が音楽プロデューサーとして加わり、sora tob sakanaは新鋭アイドルグループとしての存在感を示し始める。

プロデューサーの音楽性によってグループの存在が形作られる姿は、中田ヤスタカによって世に出たPerfumeを想わせるが、多くのアイドルがひしめく中で存在感を示し支持を拡げる道筋としては、ひとつの正解だと思える。

sora tob sakana / 広告の街(ダンス映像)

Perfumに対する中田ヤスタカのプロデュース姿勢も同じであるが、照井順政は「アイドル」という存在に忖度することなくsora tob sakanaに向き合い、自身の音楽性を最大限に開放している。

そしてまたsora tob sakana自身も、照井順政のクリエイティブを正面から受け止め、ステージで表現する事に注力し、sora tob sakanaならではの世界観を作り上げる事に成功している。

sora tob sakana /夏の扉

そのあり方は、支持を得るために安易な売れ線を狙い、ガンバる姿を切り売りした人情劇で投げ銭をもらうような、既存の「商業アイドル」とは一線を画し、「アイドル」という枠を越えてクリエイティブを創造する、アーティストとしての姿勢を感じ取ることが出来る。

躍進するオルタナティヴ・アイドル

以前、世界のロック史と日本のアイドル史の符合についてお伝えしたが、正に2014年以降のアイドルシーンは、商業ロックからハードコアを含む「オルタナティブ・ロック」が生まれてきた背景と合致する。

関連記事→ 「BiSHはアイドル界のアイアンメイデンになれるか」

AKBグループによって極限まで行き着いてしまった「商業アイドル」のカウンターとして、当然の様に発生した「オルタナティブ・アイドル」達が、かつてのオルタナティブ・ロックムーブメントを想わすように活気づいている。

そんな「オルタナティブ・アイドル」と呼べる人気の高いグループを、いくつかご紹介しよう。

まずは、サブカル系のアンテナ感度が高い人に人気のMaison book girlだ。第一期BiSメンバーであったコショージメグミを中心に、現代音楽を思わせる音楽性とパフォーマンスで大きく支持を拡げている。

Maison book girl / 言選り

次にご紹介したいのは、グループ名もまともに読めず、顔も曖昧でメンバーの名前すら無いという新進気鋭のグループ「・・・・・・・・・」”ドッツ”と読むらしい。ステージングはまだまだ未熟だが意識の高さは伝わってくる。

・・・・・・・・・/ きみにおちるよる

まだオルタナティブ・アイドルという在り方が確立されないうちに、既存の商業アイドル的プロモーションを行い、知名度と引き換えに”大火傷”を負った“おやホロ”ことおやすみホログラムも、オルタナティブ・アイドルの範疇に入るだろう。

おやすみホログラム / 世界の終わり

自分だけの宝物になるオルタナティブ・アイドルを見つけよう

すでに行き着くところまで行ってしまった「商業アイドル」は、ファンの囲い込みにばかり注力し、かつてアイドルが持っていたステージでの輝きとワクワク感を失ってしまったのかもしれない。

今回ご紹介した以外にも、現在多くのアイドルが旧態依然とした「とにかく売れる」ことよりも、自分の信じる「アイドルとして存在感」を目指しオルタナティブ指向な活動をしている。

sora tob sakana/alight ep(Trailer)

頻繁に大手メディアに取り上げられる「商業アイドル」とは異なる存在である「オルタナティブ・アイドル」達の難点は、ある程度の支持を得るまでなかなか気付かれることがない。ということにある。

少女たちがアイドルとして活動できる時間は短い。しかし、多くのオルタナティブ・ロックバンドの様に、刹那に輝くオルタナティブ・アイドルの中から自分の”お気に入り”を見つけられれば、あなたの一生を変えてしまう宝物のような存在になるだろう。

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