ENDRECHERI(エンドリケリー)が示すジャニーズの可能性

SMAPの解散から二宮和也の熱愛報道、渋谷すばるの脱退&退所発表、そしてTOKIO山口達也の書類送検まで、大荒れのジャニーズ事務所に所属するアーティストENDRECHERIのフルアルバム「HYBRID FUNK」が5月2日にリリースされる。

このENDRECHERIとはKinKi Kidsのメンバーでもある堂本剛の音楽プロジェクトであり、2005年に始動した「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」名義での活動の延長と考えられる。

ENDRECHERIのリリースを通して、一大勢力となった男性アイドル事務所「ジャニーズ」の中で、孤高の戦いを続けながら自分の信じる音楽を追い求める男「堂本剛」の音楽性に触れてみたい。

あ、今回のエントリーは都合で動画の貼り付けは無い。可愛いイラスト多めでお届けする。

KinKi Kidsのイントレプレナー(社内起業家)としての在り方

多くの男性アイドルを抱えメディアを独占している”ジャニーズ事務所”において、KinKi Kidsというグループは同事務所に在籍する他のアイドルグループとは少し違った存在だ。

関連リンク→ ENDRECHERI特集(GYAO!)

キャリアで言えばSMAP、TOKIO、V6の次にデビューしており、嵐や滝沢秀明などよりもメジャーでの活動歴は長い。山下達郎に楽曲提供を受けたデビューシングル「硝子の少年」はミリオンセラーを達成し、その後オリコンチャートにおいて39作連続で初登場1位を獲得している。

キャリアも人気も実力も兼ね備えベテランの域に達しているKinKi Kidsであれば、ジャニーズ事務所のビジネスモデルに沿うなら、紅白の司会やワイドショー、ニュース番組のMC、24時間テレビの司会など総合タレントとして”お茶の間”に深くリーチするポジションに就いているところだ。

しかし、彼らのメディア露出は自身の冠番組をメインにしたもので、そういった「事務所の方針」に沿った総合タレントとしての活動はむしろ、嵐やNEWS、関ジャニ∞といった後輩グループの方が目立っている。

ENDRECHERI(エンドリケリー)が示すジャニーズの可能性
そんなKinKi Kidsが巨大な組織の中で、他のグループとは一線を画した独自の活動をして、所属タレントとして革新的な実績を積んでいる姿は、近年注目されている「イントレプレナー(社内起業家)」を思わせるものがある。

SMAPの解散悲劇で露見したジャニーズ事務所内での派閥抗争において、事務所の社長直轄と言われるKinKi Kidsは、ジャニーズ事務所のアイドルタレントとしての活動を続けながらも、メンバーそれぞれにアーティスト性に根差した活動を展開している。

ENDRECHERI(エンドリケリー)が示すジャニーズの可能性

ジャニーズ事務所という大きな組織の中で、農作業もニュースキャスターの真似ごともせず、自分の中のアーティスト性を追求する姿は、ジャニーズタレントが失ってしまった「芸能タレント本来の姿」を示している様にも思える。

堂本剛のENDRECHERIとしての活動とは

そんな、自分の中のアーティスト性を追求する活動のひとつのカタチと言えるものが、今回リリースされるENDRECHERIのアルバムだ。

先日、関ジャニ∞からの脱退とジャニーズ事務所からの退所を発表した渋谷すばるは、「音楽活動を追求するために海外を拠点に生活していきたい」という理由を語ったが、裏返せば関ジャニ∞のメンバーとして、そのような活動は出来なかったということだ。

ENDRECHERI(エンドリケリー)が示すジャニーズの可能性
もちろん堂本剛にもジャニーズ事務所を退所して音楽活動に専念する道はあっただろうが、彼は組織に残り組織の中で自分の信じる音楽を追求している。そこには、独立して自分の思うまま好き勝手にアーティスト活動するのとは違った責務と苦労が存在する。

堂本剛とは別名義での活動となるENDRECHERIでは、KinKi Kidsのファンを意識した商業的な音楽ではなく、堂本剛が傾倒するディープファンクに根差した、自分の中のアーティスト性をとことん追求したものとなっている。

そうしなければ、組織の中でENDRECHERIとして活動する意味が無くなってしまうからだ。

ももクロへの楽曲提供で垣間見せた高い音楽性

一昨年、ももいろクローバーZが2枚同時にリリースしたコンセプトアルバム「AMARANTHUS」「白金の夜明け」の最後を飾った堂本剛の提供曲「桃色空」は、その高い音楽性とグルーブ感でももクロの新たな一面を引き出すと共に、堂本剛のコンポーザーとしての実力を多くの人に示すこととなった。

ENDRECHERI(エンドリケリー)が示すジャニーズの可能性

堂本剛はそれまでも、岡田准一や二宮和也、亀梨和也、今井翼などジャニーズタレントへの楽曲提供は行っていたが、それらの楽曲はどこか”ジャニーズファン”に忖度したもので、ジャニーズ事務所所属タレントとして初めて他所の、それも女性タレントへの楽曲提供となった「桃色空」で見せた本格的なファンクサウンドは、ももクロファンのみならずKinKi Kidsのファンにも大きく支持されるものとなった。

そしてついに、堂本剛はENDRECHERIとしてKinKi Kidsのファンにおもねることの無い自身のファンクサウンドをリリースする。

ENDRECHERI(エンドリケリー)が示すジャニーズの可能性

ENDRECHERIがジャニーズ事務所の中で自分の音楽性を追求する事は、事務所との方向性の違いで退所していった渋谷すばるをはじめとする数多の元ジャニーズタレントや、今現在大きな人気を得ながらも自身のタレントとしての在り方に疑問を抱えている現役ジャニーズタレントに可能性を示す事になるだろう。

そんなバックボーンを抜きにしても、ENDRECHERIの作り上げるディープファンクは、日本のミュージックシーンに一石を投じる事になりそうだ。

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