スターダスト☆レビューがサザンよりスゴイ訳

スターダスト☆レビューがサザンよりスゴイ訳

日本のミュージックシーン及びエンターテイメント界に「このバンドあり」と謳われ、サービス精神溢れるライブで常にファンを魅了し続けるモンスターバンド「スターダスト☆レビュー」が、6月27日に4年ぶりとなる39枚目のアルバム「還暦少年」をリリースした。

6月12日には、スターダスト☆レビューのフロントマン、ヴォーカル・ギターの根本要が脳血栓で緊急入院しその容態が心配されたが、アルバムリリース前の23日には無事に退院の報告がされ、ファンを安心させたばかりである。

サザン・オールスターズのデビュー40周年を祝うプレミアムアルバム発売のニュースが巷を賑わせて居るが、デビューして36年に渡り安定した活動を続けて居るスターダスト☆レビュー、通称”スタ☆レビ”は、何度も活動休止を繰り返しやっとの事で40周年を迎えるサザンより、よっぽど賞賛されるべきバンドであることを、ここでお伝えしたい。

「知る人ぞ知る」謎多き人気バンド?スターダスト☆レビュー

30代より前の世代の人の多くは、サザン・オールスターズは知っていても、スターダスト☆レビューというバンドのことはあまりよく知らないかもしれない。しかし40代、50代くらいでスタ☆レビを知っている人の多くには「なんでスタ☆レビは認知度が低いのだろう?」と疑問を持つほど支持されるバンドである。

スターダスト☆レビュー「世界はいつも夜明け前/You’re My Love」

80年代スタ☆レビの人気を決定づけた「夢伝説」を始め、90年代には多くのアーティストにカバーされCMにも使用された「木蘭の涙」、2000年代に入ってからも「今夜だけきっと」などのCMソングがヒットし、決して「あの人は今」と言われるような過去の一発屋ではない。

長きに渡り活動を続けヒット曲もあるバンドの割には、その認知度の低さ、売れなさ加減は本人たちもネタにするほどではあるが、それでもライブを行えば一定の集客力を発揮する。

スターダスト☆レビュー「木蘭の涙~acoustic~」

そう、多くの人に認知されていなくてもしっかりとファンを掴み、ライブに訪れたファンを存分に楽しませる。スタ☆レビは、そんなミュージシャンとしての基本を守り体現し続けている稀有なバンドなのである。

これぞ「知る人ぞ知る」というバンドスタイルかもしれない。

音楽の包容力を感じさせるスターダスト☆レビューの音楽性

スターダスト☆レビューの音楽性を説明すると、スタ☆レビがデビューした80年代のトレンドであったフュージョン風味の、現代ではついぞ聞かなくなった”AOR”(大人向けのロック)をベースにした音楽性を持っており、一言で言えば「聴きやすいポップロック」のど真ん中を行く音楽性であると言える。

スターダスト☆レビュー「今夜だけきっと」

世の中にメッセージ性の強い音楽があふれかえる中、フロントマン根本要のハスキーで伸びやかな声と、他メンバーによるコーラスが生み出す、聴く人を悩ませることなく、過剰に興奮させることもなく、安心して身を委ねることができるサウンドは、現代ではなかなか聴くことはできないスタイルかもしれない。

時代や流行に左右されづらい、聴きやすいポップソングを常に聴かせてくれるスタ☆レビであるから、ファンもスタ☆レビの歌が好きであれば離れる理由はないのである。

スターダスト☆レビュー「夢伝説」

「夢伝説」は今聴いても素晴らしい楽曲で、30年以上昔の作品だとは思えない。他の楽曲もどの年代の楽曲であってもスタ☆レビらしいクオリティと肩肘を張らない軽快なノリで、聴く者を魅了して止まない。

真の音楽体験を提供するスターダスト☆レビュー

筆者の友人である音楽教師が「音を楽しむと書いて”音楽”なのだから、楽しめない音楽はもはや音楽とは呼べない。」というような話を聞かせてくれたことがある。

スタ☆レビが聴かせる音楽は、まさに音を楽しむための演奏であると言えるのではないだろうか。演者もオーディエンスも一体となって”音を楽しむ”事ができるライブを、スタ☆レビは長きに渡り提供し続けている。

35th Anniversary スタ☆レビ大宴会~6時間大コラボレーションライブ~

スタ☆レビのライブでは、その演奏とともに定評のある根本要のMCも含め、なんの心配もなくリラックスして楽しめる極上の”音楽体験”ができるはずだ。

そういったライブは若い人にとっては少し物足りなく感じるかもしれないが、ステージに向かって拳を振り上げ頭を振り、声を枯らし、ツーステップを踏み、曲に合わせた振り付けを気にして、時にはモッシュやリフトアップで大暴れするライブで、自分がどれだけ本当に”音を楽しんでいるか?”ということは振り返ってもいいのではないだろうか?

スターダスト☆レビュー「Spice of Life」

スタ☆レビの”音を楽しむ”ライブと比べれば、ステージの演者を見て興奮し暴れまわるだけのライブは、そこに流れている音楽などオマケくらいのもので、パンダを見るために動物園に殺到する俗物と変わらないようにも思えてくる。

だから本当は「スタ☆レビって昔のバンドでしょ?最近のアーティストしか興味ないんだよね。」というニワカトレンディな人にこそ、スタ☆レビのライブを体験してもらいたいとも思う。

きっと、自分が知っているライブに比べれば”退屈”に思えるかもしれないが、リラックスして音を楽しめる、真の”音楽体験”の心地よさに気づくかもしれない。

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