
90年代を席巻したアーティスト、といって思い出すのは、スピッツやFIELD OF VIEWやL↔︎Rなど。
必ずどのバンドもミリオンを持っていて、いやーCDが売れた時代だったなあなんて思いを馳せる。
その中にいませんでしたか?DEEN。
実は今、DEENのメンバーはたった二人だけとなっている。
ボーカルの池森秀一とキーボードでリーダーの山根公路だ。
なぜこんなことになっているのか、を解説しながら、DEENが今までに発表した素晴らしい楽曲を紹介したい。
なぜメンバーが二人?実はDEENにはある決まり事があった
なんで今メンバーが二人なのかというと、それは簡単。
どんどんと脱退していったからだ。
過去4名が在籍していたが、いずれも抜けてしまった。
そして、DEENには「メンバーチェンジをしない」という不文律がある。
そのため減ったメンバーを補充することもなく、現在の二人で今後も活動するようなのである。
でも、もしかしたらそれが何かのきっかけで崩れるかもしれないじゃないか!
だからこのタイミングでDEENを聴いておきたいのだ!
DEEN初心者向け5選
このまま君だけを奪い去りたい
素顔で笑っていたい
My Love
永遠の明日
夢であるように
とりあえずこの5曲を聴いて欲しい。
どれも胸に染み渡るようで、歌声がとにかく素晴らしい。
激しい楽曲でなく、穏やかな音色で人の気持ちを動かすのは少し難しい。
それをDEENはきちんとおこなっているのだ。
そもそもDEENの魅力とは?
クリスタルボイスの他にも、DEENにはDEENにしかない魅力がある。
まず、メンバー(元メンバー含む)全員が音楽理論をきちんと持っていて、無理のない音作りをしている。
そのため、がっきょくひとつひとつの完成度がめちゃくちゃに高い。
ぱっと聴いただけだと「似たような曲ばかりだな」と思うかもしれないが、実はさまざまなテイストを取り入れた楽曲を作成している。
その「ぱっと聴きだとわかりにくい」というのはデメリットであるものの、つまり「自分たちがどういう音楽をやりたいか」が明確に見えていた証拠でもある。
ポップバンドでありながら、ブラックミュージックを感じられるようなボーカルも魅力の一つである。
2018年になって、ギターが一人脱退した。
これはファンにはとても悲しいことだけれど、DEENのファンはメンバーが脱退することを「卒業」と呼ぶ。
そういえばこのDEENの根底に流れている感覚、とは、「切なさ」や「一瞬を永遠に引き伸ばしたい願望」なのだな、と気づいた。
彼らの選ぶ道が、何気ない日常の延長であることを祈って。
だからみんな、DEEN聴こうよ。
文=阿部春泥