2018年にデビュー20周年を迎えた「椎名林檎」は、トリビュートアルバムの発売や記念アリーナツアーの開催、そして定額音楽サイトによる全曲配信を行い、その節目を盛大に盛り上げています。
特にApple MusicやAmazon Music Unlimitedでの楽曲配信は大きな転機であり、椎名林檎をさらに深く知ってもらう絶好のチャンスとなるだろう。
そこでせっかくなので、こちらでは椎名林檎の有名曲とは少し離れた場所にある曲、言うなれば「影」に当たるアルバムの中の名曲たちを紹介したい。
自ら「陰翳礼讃」というタイトルでツアーを行った椎名林檎だからこそ、スポットが集中する名曲だけでなく、それを引き立てるマイナー曲に注目してみてほしい。
流行
2009年発売のオリジナルアルバム「三文ゴシップ」に収録されているこちらの楽曲は、疾走感あふれるナンバーとしてライブでも人気を博している。
元東京事変としてお馴染みの「ヒイズミ マサユ機(H ZETT M)」との共同編曲で作成され、以降何度もコラボを重ねている「坂間大介(Mummy-D)」や「竹内朋康」も参加しているなかなか豪華な曲だ。
シングル曲の少ない三文ゴシップの中でも特に目立った存在感を見せているので、この機にアルバムごとまとめて聴いてみてほしい。
メロウ
カップリング曲を集めたアルバム「私と放電」に改めて収録されたことで話題となった楽曲。
初期の椎名林檎っぽさを感じる毒々しい歌詞と病的な歌い方が魅力で、彼女の真髄を味わうには十分すぎるほどの魅力が詰め込まれている。
それでいてプロモーションビデオは明るめのパステル調で、どこか夢見心地な内容になっているのも面白い。
楽曲の発表からプロモーションビデオの作成までに8年の歳月があることから、椎名林檎のなかでこの楽曲に対するさまざまな心境の変化があったのかも、と想像してしまう。
逆さに数えて
14枚目のシングル「NIPPON」に収録されたB面曲であり、2018年現在アルバムにも組み込まれていないことからまさに隠れた名曲といえるだろう。
2015年のツアー「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」のアンコールで披露されたのが印象的で、そのメッセージ性の高さに心をわしづかみにされた人も多いのではないだろうか。
浴室
2ndアルバム「勝訴ストリップ」に収録され、発売前からプロモーションとして流されていた初期の名曲。
比較的ライブで披露されることが多く、2008年のライブでは包丁でまな板の上の林檎を叩き切るというパフォーマンスを見せている。
存在感のあるイントロから浮遊感に満ちたサビまでの道程は、椎名林檎の楽曲の中でも浴室ならではのものといえるかもしれない。
熱愛発覚中
コンピレーションアルバム「浮き名」の中でも特別な魅力を放つ「熱愛発覚中」は、近年の椎名林檎のスタイルを作り上げた1つのきっかけなのではないだろうか。
Perfumeなどのプロデュースで知られる「中田ヤスタカ」とのコラボ曲であることから、ダンスをメインにしたプロモーションビデオが目を引く。
この曲に関しては、とにかく映像を見てほしいとしかいえない。
「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」でもナース服バージョンで披露されているので、機会があればそちらもぜひ。
紹介しきれるわけがないので、後はおまかせいたします
配信が決定した全188曲の中から、比較的わかりやすく、それでいて決してメジャー過ぎない曲を探してみたが、このページで紹介しきれるわけがないことはわかっていた。
椎名林檎の影に当たる曲は、ここにあるものだけではないことはもちろん、さらにもっとディープなものが数多く存在する、
せっかく配信されているのだからぜひ1から順に、もしくは順不同にでも、椎名林檎の曲を隅々まで体験してみてほしい。