2018年5月23日、椎名林檎の初トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」が発売される。
デビュー20周年を記念したこちらの作品には、椎名林檎とゆかりあるアーティストが多数参加し、過去例を見ないほどの豪華アルバムとなる模様だ。
椎名林檎の魅力に惚れ込んだアーティストのレベルの高さにも驚きだが、そのアーティストが歌う楽曲の組み合わせにも、ファンとしては注目したい。
どのような作品が出来上がるのかまったく想像できない半面、今からどんな楽曲に仕上がっていくのかが楽しみでならないだろう。
特に筆者が気になる楽曲をチェックしてみるので、同じく本アルバムを楽しみにしている人はぜひご覧いただきたい。
松たか子 / ありきたりな女
ありきたりな女
椎名林檎のオリジナルアルバム「日出処」の名曲、「ありきたりな女」を歌うのは松たか子だ。
テレビドラマ「カルテット」で有名となった楽曲「おとなの掟」を2人で歌うなど、近年は椎名林檎とのコラボレーションが目立つ松たか子だが、満を持してこのトリビュートアルバムにも参加となった。
音楽番組などでは仲睦まじい姿を見せる2人だが、当然お互いプロであるため音楽に妥協はない。
「ありきたりな女」を椎名林檎本人はかなり感情的な歌い方で仕上げているが、松たか子はどのようにアレンジしてくるのか、今から想像がやまない。
レキシ / 幸福論
幸福論
「きらきら武士」のコラボで一躍有名になった椎名林檎とレキシだが、当然のように今回のトリビュートアルバムに参加しているので一安心。
しかも椎名林檎のデビュー曲である「幸福論」を歌うというのだから、その期待値は嫌でも高まるだろう。
椎名林檎の「幸福論」は、本人によって既に2パターンできあがっているため、今回のアレンジで3曲目となる。
バラエティ豊かな「幸福論」に、レキシがどのような色を加えるのかは楽しみでならない。
個人的には、全力でユニークにしてもらいたいと思っている。
私立恵比寿中学 / 自由へ道連れ
自由へ道連れ
純粋に、どんな楽曲になるのかがわからない。
「自由へ道連れ」はスピードを感じられるような勢いのある楽曲であり、伴奏もかなりロック寄りだ。
そんな楽曲を私立恵比寿中学というアイドルが歌うのだから、想像しろというほうが難しい。
しかし斬新過ぎて逆に1番楽しみになってくるのが、トリビュートアルバムの良いところだと思う。
ロック調の雰囲気を守るのか、それとも私立恵比寿中学自身の魅力に落とし込んでいくのか。
さまざまなパターンが考えられるが、どれも「自由へ道連れ」をまったく新しいものに変えてくれることは間違いないだろう。
theウラシマ’S / 正しい街
正しい街
このために結成されたバンド「theウラシマ’S」は、名曲「正しい街」を歌う。
「theウラシマ’S」とは東京事変でベースを務めた師匠「亀田誠治」によるプロデュースで、ボーカルにスピッツの「草野マサムネ」、ドラムにMr.Childrenの「鈴木英哉」、ギターにはアジカンの「喜多建介」、ベースに雨のパレードの「是永亮祐」を迎えたスペシャルバンドである。
このためだけに作られたということだが、これはぜひ生で演奏を見たいので、椎名林檎ライブへの参戦を希望したいものだ。
椎名林檎といっしょに音楽シーンを盛り上げてきた彼らだからこそ出せる音に期待して、アルバムの完成を待ちたい。
トリビュートアルバムだからこその魅力
椎名林檎の楽曲は、ある意味で既に彼女のなかで完結しているともいえる。
しかしだからこそその先を見たい、違う可能性を聴いてみたいと思わせるのだろう。
今回のトリビュートアルバムは間違いなく、ファンにとってはお宝になる。
しかし同時に、椎名林檎本人にとっての刺激になるかもしれない。
それは自作以降のアルバムに反映されるだろうから、ファンにとっては2重に嬉しいばかりである。