クラシックの成分はドラクエで補給する時代

現代はクラシック音楽の入口を、どのように設けているのだろうか。

クラシックをまったく聴いたことがないという人は、おそらくいないだろう。しかしJ-popはもちろん他のどの音楽とも似ていないクラシックは、なにかきっかけがないとなかなか本格的に聴こうと思えなくなってきているように感じられる。

そんなクラシックにスポットを当て続け、未だに新規のリスナーを獲得していくきっかけを作っている要因の1つに、「ドラゴンクエスト」の音楽があるのではないかと推測してみる。

もしクラシックを聴いてみたいけど挫折した。クラシックってなんとなくかったるい。と感じている人がいるのなら、ドラクエという道からクラシックに入場してみてはいかがだろうか。

ゲームが好きでもそうでなくても、ドラクエとクラシック音楽の親和性は誰にでも感じられることだろう。

クラシックから「ちょうどいい」感覚がなくなってきている

クラシックはいうまでもなく、とんでもなく長い歴史と崇高さを持った音楽スタイルだ。

しかし曲を理解するためにはいくつもの知識が必要となり、曲名や作曲者を覚えるだけでも精一杯となることもある。

その高尚さゆえに日常に馴染まず、雰囲気でしかクラシックを聴いたことがないという人も多いだろう。

また最近では動画サイトなどで多くの曲をひとまとめにされることも多く、どれがなんという曲なのかさらに判別しづらくなっている。

誰もが聴いたことのあるクラシック定番名曲集

またクラシックはテレビや舞台などであまりにも酷使されてきたため、それらのイメージのおかげでチープに聴こえてしまうという逆パターンも出てきてしまっている。

もちろんコンサートなどでクラシックを聴けば、その魅力に文句のつけようはない。

けれど日常的におけるクラシックからは、「ちょうどいい」感覚が薄れてきているように思えるのだ。

ドラクエがクラシックを聴きやすくさせる

そこでゲーム「ドラゴンクエスト」の音楽が登場する。

ドラクエの音楽を30年以上制作し続けているすぎやまこういち氏は、「ゲーム中に繰り返し聴いても飽きない」というテーマを実現するために、クラシック音楽をドラクエのなかで再現したそうだ。

結果的にドラクエの音楽はゲーム音楽の枠に留まらず、現在では1つのジャンルとして確立できるほどになったといえるだろう。

交響組曲「ドラゴンクエスト」

ドラクエの音楽はプレイした本人はもちろん、それを何気なく聴いていた家族や同居人の耳にも残りやすい。かつては家族で1台のテレビを共有するというスタイルも多かったため、リビングで家族のプレイするドラクエを見ていたという人もいるだろう。

そんな何気ない風景が、実はクラシックの入門となっていたのかもしれない。

ドラクエの音楽は日常的なクラシック

ドラクエの音楽は、日常的に聴きやすいクラシックとして作られている。

どの曲にも「宿屋」「フィールド」「戦闘」といった明確なテーマがあり、このテーマは日々の「休暇」「通勤」「散歩」のような場面に落とし込むことができる。

それゆえにドラクエの音楽は普通に1日のなかで流すことができ、しかも違和感がないのだ。

クラシックを歩きながら聴く人もいるだろうが、初心者にはややハードルが高い。

ドラクエ音楽はクラシックヘの道のりを緩やかに提示してくれるからこそ、ゲーム好きに関わらず多くのリスナーを獲得しているのだろう。

今後もドラクエの音楽はクラシックへの登竜門として

ドラクエの音楽はコンサートやピアノの課題曲として、これからも普及していくことだろう。

それはクラシックへの登竜門となり、クラシックに興味が薄い人々を惹きつけるきっかけとして機能し続けるはずだ。

子供のゲームプレイを見て、両親のサウンドトラックを引っ張りだして、そういったさまざまな角度からドラクエの音楽は日常に招待される。

ゲームはもはやどんな家庭にもあり得る媒体となっているので、ドラクエを通してクラシックに触れる可能性はどこにでも存在することになるだろう。

交響組曲「ドラゴンクエストⅡ」この道わが旅

クラシックに対して敷居が高く感じているのなら、ぜひこれを機にドラクエの音楽を聴いてみてほしい。

ゲームをプレイしたことがない人も、きっとクラシックの聴き方や感じ方が変わってくるだろうから。

加えてきっと、ドラクエがプレイしたくなること請け合いだ。

ゲームプレイの思い出が合わされば、ドラクエの音楽は感動を呼ぶ最高の魅力を持つことになるだろう。

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