星野源の「ドラえもん」には本気の「遊び」が満載!?

星野源最新シングルが、ドラえもんの劇場版主題歌として決定した。

タイトルはまさかの「ドラえもん」そのままとなり、曲そのものにもドラえもんのキャラクターやこれまでのアニメ楽曲に対するリスペクトが溢れている。

圧倒的注目度を持つ星野源がドラえもんをどのように歌いきるのか、今回はこの1曲に焦点を当ててみたい。

歌詞のなかに遊びが満載

本作「ドラえもん」は、楽曲よりもまずその歌詞に注目すべきものとなっている。

キャラクターの名前や原作者である藤子・F・不二雄氏の有名な言葉である「SF=少し不思議」などが全体にちりばめられていて、冒頭からクライマックスまでドラえもんの世界観がぎっしりと書き込まれているのがわかる。

そこに見えるのは、星野源の「遊び」の精神だ。

リスナーにドラえもん要素を探させるような内容となっている本作は、聴きながらいくつもの「発見」に出会う。それは子供時代を彷彿とさせる遊びの感覚を思い出させ、聴いているものを童心に帰らせる効果があるように思われる。

ドラえもん

本人がドラえもんの大ファンであり、某コント番組ではドラえもんのオマージュコントに挑戦するなど、かねてからアプローチを行ってきた星野源ならではの作詩スタイルだといえるだろう。

直接的に書き出すわけではなく、ドラえもんの世界をにおわす程度に抑える技術はさすがだ。あえて微量な成分でドラえもんを表現しているからこそ、サビの最後の「ドラえもん」という名前がいきいきとした歌詞になるのもポイント。

子供向け映画の主題歌であるため、難解な言葉や面倒な言い回しを避ける必要があったと想像できるが、それでも決して単純なものに落とし込むだけではないのが、星野源の技術力の高さを表しているのだろう。

全世代のドラえもんファンに向けて

ドラえもんはこれまでに何度もアニメのスタイルを変更している。

そのため世代によって見ているドラえもんに若干のちがいがあり、思い出されるエピソードや声なども変わってくることだろう。

本楽曲は今のドラえもんで使われる曲であるため、現代の要素が強くなると考えるのが普通だ。

しかし星野源はどの世代でも共感できる言葉を選び、現代のドラえもんを知らないリスナーでも楽しめる音楽を作り上げてくれたようだ。

また言葉だけでなく、間奏には昔のアニメドラえもんのテーマ曲である「ぼくドラえもん」のメロディが引用されていて、聴いている人をあっと驚かせる仕掛けも搭載済みとなっている。

ぼくドラえもん

過去1度でもドラえもんに心奪われた経験があるのなら、星野源のドラえもんマジックにハマることは間違いないだろう。

曲は安心の星野源クオリティ

本作「ドラえもん」は、いわゆるネタ曲や子供向けの楽曲ではない。きちんとした星野源クオリティが保たれているので、その点も安心して聴くことができるだろう。

リズミカルな音楽は明らかにアルバム「YELLOW DANCER」からの続きであり、星野源ファンの期待にバッチリ応えてくれている。

特に「時よ」を好きなリスナーは、「ドラえもん」に何らかのシンパシーを感じられるかもしれない。

時よ

「ドラえもん愛」と「星野源らしさ」のハイブリッドを実現できているため、次回のアルバムではこの「ドラえもん」が大切なキーとなる可能性も浮上してきている。

楽曲としての存在感は抜群なので、「ドラえもん」が次回作のアルバムでどのポジションを取り持つのか、今から予想してみるのもおもしろいだろう。

マルチタレントの真骨頂

星野源といえば、歌って踊れて本も書けて演技もできるといったマルチタレントっぷりが魅力のアーティストだ。

しかしそのすべては、音楽に還元されてこそ意味のあることのように思えてならない。

本作「ドラえもん」は、星野源の積み上げてきたドラえもんヘの愛と、子ども向け映画に推薦されるだけの人柄が生み出した結果である。

これはマルチタレントとして活躍している星野源でなければ、作れなかった楽曲であるといっていいだろう。

今後もこのようなビッグタイトルとのコラボや、特化した名曲が発表されていくかもしれない。

星野源ファンとしては、そんな「まさか」にも期待していきたいところだ。

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