GARNiDELiA(ガルニデ)に見るアニソンの音楽的価値

GARNiDELiA(ガルニデリア)が1月31日に9枚目となるシングル『Error』をリリースした。

『Error』は、今年1月よりオンエアされているTVアニメ『BEATLESS』のオープニングテーマに起用されており、国内のみならずアジア圏でも熱い支持を集めるGARNiDELiA は昨年アジア単独ツアーを成功させ、今年春には東名阪ワンマンライブツアーを予定している。

GARNiDELiA、通称ガルニデは、ボーカル・コーラスアレンジ担当のMARiA[メイリア]とニコニコ動画などでボカロ楽曲を発表しているアカウント「へっどほんトーキョー」の中心人物である阿部 尚徳 (とくP)による音楽ユニットである。

2014年のメジャーデビューから早いペースでリリースされているシングルは、全てアニメ作品のオープニングやエンディングに起用されている。自分達のオリジナル楽曲がアニメに起用されるのではなく、アニメの為に楽曲を創り上げる彼らは「アニメ御用達」の音楽ユニットと紹介していいだろう。

アニソンアーティストの系譜

現在、日本のアニメはグローバル市場において一大産業に成長し、年間に制作されるアニメ作品はかつて無いほど大量に生産されており、日本動画協会によるアニメ産業レポートでは2016年時点で356本と記録されている。

リンク:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2017」

GARNiDELiA / Error(TVアニメ「BEATLESS」オープニングテーマ)

そのほとんどの作品のオープニング、エンディング、挿入歌として起用されるアニソンは、70年代、80年代アニメのように「特定のアニソン歌手」による楽曲に限らず、ありとあらゆるアーティストの楽曲が起用されている。

GARNiDELiA / ambiguous(TVアニメ「キルラキル」オープニングテーマ)

しかし、どんなアーティストの作品でもアニメに合うわけではない。アーティストとしてどれだけ人気がありファンに支持されていても、アニソンとしてアニメ作品にマッチするとは限らない。アニソンにはアニソンとして成立するスタイルがあるのだ。

関連記事→「ユニゾンとアニソンの幸せな関係・UNISON SQUARE GARDENのアニメ主題歌史」

アニメ黎明期を支えた佐々木功、子門真人、水木一郎などのアニメ歌手から始まり、アニメ作品のクオリティが向上し表現方法が拡がる中で、90年代に活躍したTow-Mixによって「アニメ専門の音楽」というものがひとつの形を成したといえるだろう。

Just Communication / Tow-Mix(TVアニメ「新機動戦記ガンダムW」オープニングテーマ)

ガルニデやEGOISTといった現在のアニメ御用達アーティストは、キャッチーなサビ、緩急のある曲展開、強めのビートと早めのBPM、それでいてしっかり「歌モノ」として聴こえる芯の強いボーカルといった「アニソン」としての必要条件を兼ね備え、その系譜を継いでいる。

EGOIST / KABANERI OF THE IRON FORTRESS(TVアニメ「甲鉄城のカバネリ」オープニングテーマ)

現代のバブルガムミュージックとしてのアニソンの存在意義

Tow-Mixが活躍していた90年代は、まだアニメオタクとそれ以外の人の間にシームが存在していた時代で、当時アニメをよく見ていた人には知られた存在ではあったが、それ以外の人には「小室哲哉のパクリ」くらいの認識であったかもしれない。

しかし現在、世界的に広く認知されているのはTMネットワークやgloobeではなくTow-Mixである。先述したTow-Mixの「Just Communication」はオフィシャルな動画が無かったのでファン動画を貼らせていただいたのだが、その動画をアップしているのは海外のユーザーだ。そして、その動画には多くの外国人からのコメントが寄せられている。

かつて、アメリカを中心に60年代終わりから70年代初頭にかけてバブルガムポップという音楽ムーブメントが存在した。

バブルガム(風船ガム)の様に子供向けのチープな音楽と揶揄されたそのムーブメントでは、当時の音楽クリエーターによって、小難しいアーティスト性を排除した、とにかく明るく若者が”ノレる”楽曲が次々とリリースされ、特徴としてキャッチーなメロディーと(当時としては)早めで強いビートといった現代のアニソンにも通じるものを持っていた。

日本で最も有名なアニソンが、バブルガムポップの代表的な楽曲とソックリになってしまったのも無理からぬ話なのかもしれない。

1910 Fruitgum Company / Bubblegum World

バブルガムポップと同様にアーティスト性を希薄にして、アニメの世界観に寄り添い高揚感を刺激する事に特化した「アニソン」には、国境や時代を越える力があると言えるだろう。

日本を代表する音楽を世界に届ける担い手

つまりアニソンを担うガルニデは、アニソンであるが故に自ずと「日本を代表する音楽アーティスト」としてこの先10年以上、日本のアニメ作品と共に世界中の人にその音楽が聴かれることになる。
世界中の人がガルニデの歌を聴き、口ずさむ。これはスゴイことだ。

GARNiDELiA / SPEED STAR(劇場版アニメ「魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」主題歌)

日本人として、ガルニデをはじめとするの「アニメ御用達」のアーティストの作り出す、世界に届けられる音楽に今後も注目していきたいと思う。

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