ユニゾンとアニソンの幸せな関係・UNISON SQUARE GARDENのアニメ主題歌史

UNISON SQUARE GARDEN

今期のアニメも出揃い、見るアニメ、見ないアニメも決まった頃かと思うが、その中でちょっと注目したいのは、UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾンスクエアガーデン)の曲が2作品でOPとして起用されていることだ。11月には、そのOP起用されている2曲が連続でシングルリリースされる。

どちらも続きもののアニメ作品での継続起用なのだが、同時期に別々の作品で同じアーチストによるOPが被るのは珍しい。ユニゾンスクエアガーデンはなぜこうもアニメと相性が良いのだろうか?

アニソンで加速するユニゾンスクエアガーデンの人気

UNISON SQUARE GARDENの認知を一気に拡げたのは、アニメ『TIGER&BUNNY』のオープニングに使用された『オリオンをなぞる』である。この曲はアニメのヒットも相まって累積売上1万枚を超えるセールスを上げ、ユニゾンスクエアガーデンを一つ上の段階に押し上げた。

オリオンをなぞる

歌番組も少なくなった今、アーティストが新規のファンを増やすプロモーションの場としてアニメの主題歌というのは重要視されている。アニメファンは本やCD、DVDなどメディアにお金を使うことに慣れているので、大きな売り上げにつながることが多いからだ。

とは言え、人気のアニメの主題歌に使われればどんな楽曲でも売れるか?というとそうではない。現にUNISON SQUARE GARDENにおいて言えば、今期のアニメ「血界戦線 & BEYOND」OPとして楽曲使用されているが、この「血界戦線」というアニメは2期目であり、1期においてUNISON SQUARE GARDENの楽曲はEDに使用されていた。その曲がこの「シュガーソングとビターステップ」だ。

シュガーソングとビターステップ

エンディング使用でありながら、初のヒットとなった「オリオンをなぞる」を上回りダウンロード数は50万を上回りダブル・プラチナとなった。この2015年に放送された1期においてOPで使われていたのはBUMP OF CHICKENの「Hello,world!」だった。この楽曲もBUMP OF CHICKENらしい良曲であったが、「シュガーソングとビターステップ」の売り上げには届いていない。

「血界戦線」というアニメ作品は、ここ数年においてアニメ業界ではかなり気合の入った制作プロジェクトで、一説によるとBUMP OF CHICKENはこのOPを担当するために「君の名は」のオファーを蹴ったのでは?とも言われていた。

しかし、1期においてユニゾンスクエアガーデンが担当したEDの方がヒットし、2期においては、今回リリースされるユニゾンスクエアガーデンの楽曲「fake town baby」がOP起用となる。

fake town baby

これは、BUMP OF CHICKENの人気よりUNISON SQUARE GARDENの方が勝っているとかそういう話ではない。バンドのファンの規模でいえばBUMP OF CHICKENの方が一回りもふたまわりも大きいし、タイアップなしでも確実に売り上げを出せるのはBUMP OF CHICKENであることは確実だ。ではなぜ、ユニゾンスクエアガーデンの楽曲はアニソンとして”ウケる”のだろう。

なぜユニゾンスクエアガーデンはアニソンでヒットするのか?

BUMP OF CHICKENだってUNISON SQUARE GARDENに負けず劣らずアニソン起用が多い。しかし、アニソンである前にBUMP OF CHICKENの楽曲であることが先に立ち、BUMP OF CHICKENの新譜を待つファンも多いため、アニソンとしての起用が売り上げに大きく影響することがない。

そのような状況を見て言えることは、ユニゾンスクエアガーデンの楽曲はアニメ向きだということだ。アニメのOPというのはだいたい1分30秒程度であり、その中でアニメ作品の持つ世界観や登場人物の関係性などを見せていく。そうなるとオープニングで描かれる内容は、結構めまぐるしい展開の中でドラマ性を表現することとなる。

UNISON SQUARE GARDENの楽曲の特徴は、展開の激しさにある。ベース担当の田淵智也が楽曲のほとんどをライティングしているが、ベーシストには変調、変拍子の多い展開の激しい楽曲を書く人が多い。ユニゾンスクエアガーデンの楽曲も1曲通して聴くとクセの強い楽曲が多く、その曲構成はカナダのスリーピース・プログレロックバンド『RUSH』を彷彿とさせるマニアックさを持っている。

サビやメロディーはキャッチ―ではあるが変拍子が多用されており、1曲の中でいくつもの展開を見せる。アニソンで馴染みがあるからと初心者バンドが手を出すと苦戦を強いられるだろう。そのような展開の早さとサビのキャッチーさ、音の緩急の激しさなどが1分30秒に曲を詰めた時に、ほど良いドラマ性を生み出す。だから、アニソンとしてマッチするのだろう。

かたやBUMP OF CHICKENはトツトツと唄い出し、サビに向けて徐々に盛り上げていき、楽曲の世界観に引き込む作り方がされることが多い。1曲聴いてその曲の世界観を堪能するのが正しい聴き方で、1分30秒に詰まんでしまうと、その楽曲がもつカタルシスは殺がれてしまう。

UNISON SQUARE GARDENのマニアックさを知って欲しい

このようにユニゾンスクエアガーデンの楽曲がアニソンとして使用され、またヒットするのには然るべき理由があるのだが、ユニゾンスクエアガーデンは決してアニメ向きに活動しているバンドではない。あくまでも「アニメとの相性が良い」バンドなのだ。ユニゾンスクエアガーデンはアニメ主題歌として起用された楽曲以外でも、ハイレベルで凝ったユニゾンスクエアガーデン”らしい”楽曲が多いので、気になった人は他の楽曲もぜひチェックしてもらいたい。

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