UNISON SQUARE GARDENは音ハメの達人!あのバンドの系譜を見た!!

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのバンド、UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾン・スクエア・ガーデン)。
2008年にトイズファクトリーよりメジャーデビューした、Vo&Gtの斎藤宏介、Ba&Choの田淵智也、Dr&Choの鈴木貴雄からなるスリーピースバンドだ。
2011年に放映されたアニメ『TIGER&BUNNY』の主題歌であった5thシングル『オリオンをなぞる』から知名度が上昇。
2015年放映のアニメ『血界戦線』のEDテーマだった『シュガーソングとビターステップ』にてその地位を不動のものとした。
その心地よい世界観にフィットしたメロディと歌詞から、「アニソン界の覇者」として認知されている。

彼らに影響を与えたバンドはなんなのか?系譜をたどる

はっきりと3人が「このバンドに影響を受けた」と話すことはほとんどないが、J-POPに影響を受けたという記述はネット上でも見かける。
メンバーである斎藤が海外育ちでありながら、メインコンポーザーの田淵はどちらかというと「洋楽コンプレックスがある」との話だ。
う〜ん、わかる! ユニゾンの曲からは洋楽エッセンスはほとんど感じられない。
ではなんの影響を感じるのか?
少々話は変わるが、現在邦楽ロックで「誰しもが知っているバンド」といえばなんだろう。
ASIAN KUNG-FU GENERATION、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPSあたりだろうか。
それぞれ『リライト』、『sailing day』、『前前前世』とアニメ関係のヒットソングを持っているバンドだ。

リライト/ASIAN KUNG-FU GENERATION

sailing day/BUMP OF CHICKEN

前前前世/RADWIMPS


ユニゾンも間違いなく彼らの楽曲は聴いているし、多少の影響は受けているだろう。
でも、いまひとつ「このバンドの系譜を受け継いでいる!」とぴったりこない。

それはおそらく、アジカンやバンプ、ラッドが「強いメッセージをキャッチーなメロディに乗せて聴かせる」バンドだからだ。
私の捉えるユニゾン像は、「楽曲の世界観に合わせて歌詞とメロディの音ハメを変化させるバンド」というイメージ。
ちょっと当てはまらない。
そこで色々悩んだ結果、ひとつ重大なバンドを見落としていることに気づいた。

音ハメのうまさは職人級!あの大御所バンドと並べてみる

ユニゾンの音ハメのうまさを語るに、絶対に外せないバンドがいる。
そう、ポルノグラフィティだ。

メリッサ/ポルノグラフィティ

THE DAY/ポルノグラフィティ


どうですかこの音ハメの職人芸。まさにユニゾンはこの系譜を受け継いでるといっても過言ではないだろう。
単純に「メッセージ性の強い曲」というものではなく、きちんとアニメの世界観に合わせて歌詞とメロディを変容させているのもポイントが高い。
ここでユニゾンの楽曲と聴き比べると、アジカンやバンプ、ラッドなどより、ずっと「近い」ものを感じることができる。
ポルノならば2000年代初頭から大ヒットを飛ばしているバンドだし、ユニゾンも彼らの影響をきっと受けている。
というか、この「歌詞をテンポよくメロディと当てはめて”違和感なく”聴かせる」という技は、ポルノから引き継いでいるとしか思えない。
ここでユニゾンのアニメソングタイアップの代表曲を聴いてみよう

オリオンをなぞる/UNISON SQUARE GARDEN

シュガーソングとビターステップ/UNISON SQUARE GARDEN

この「1音に歌詞を詰め込む」感じが、非常にポルノグラフィティと近似性がある。
日本人が嫌いなわけがない構成なのだ。
「1音に歌詞を詰め込む」手法はサザンオールスターズが開発したとされており、それまで1音に対し、歌詞は1語だった。
それがサザンの楽曲で発展し、「音ハメ」という概念ができ、2000年代にはポルノグラフィティの手により昇華された。

2010年代にそれをさらに親しみのあるものにしたのがユニゾンだろう。
サザン→ポルノ→ユニゾンという、一見共通点のないバンドたちにはこんな「道」があったのだ。

ユニゾンが発展させた後は「音ハメ」の世界はどうなる?

UNISON SQUARE GARDEN

では今後、ユニゾンが親近感をもたらした「音ハメ」の手法は、誰に受け継がれていくのか。
今の所「このバンド!」というアーティストはまだ出ていないが、似たような音のはめ方をするアーティストは同世代にいる。
米津玄師やヒトリエがその代表だろう。

ピースサイン/米津玄師

リトルクライベイビー/ヒトリエ


同時期に同じ様な楽曲構成をするバンドが出てきているということは、現在の音楽シーンがこの心地よい手法に注目しているということ。
できれば次世代にも「音ハメ」の上手なバンドが出現して欲しいものだ。

文:阿部春泥

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