2017年10月18日に発売されたドミコの2ndアルバム「hey hey,my my?」が2018年1月31日(水)にアナログ盤でリリースされる。また、2018年4月1日に渋谷WWWにて12月24日に終了した「hey hey,my my?」のリリースツアー追加公演が決定した。
今、ノリに乗っている2018年ブレイク間違いなしと称される2ピースバンド「ドミコ」の魅力を改めて確認しておこう。
国内ミュージックシーンにおけるドミコの特異性
ドミコはギター・ボーカルを担当する”さかしたひかる”とドラム担当の” 長谷川啓太”による2ピースロックバンドである。
2011年の結成から、FUJI ROCKなどのフェスへの出演など重ね早いペースで支持を拡大し、今年の2ndアルバム発売以降、中国でのライブツアーや2ndアルバムリリースツアーを成功させ、着実に実績を積んでいる。
2人組で活動している国内アーチストは意外と多い。有名なところではB’zもそうだし、ゆずやコブクロ、スキマスイッチなども2人組で活動している。彼らは「デュオ」や「ユニット」と呼ばれることが多く「バンド」としては認識されることは少ない。
しかし、ドミコは「デュオ」ではなく、あくまでも2ピースの「バンド」なのである。国内においてデュオ、ユニットとして活動するアーチストは数多居るが2ピースバンドとして活動するアーチストは少ない。「デュオ」と「バンド」の違いについて明確に示すことができないが、音を聴いてもらえばバンドであることは理解してもらえるのではないだろうか。
ドミコ / こんなのおかしくない?
最小構成によるガレージ感
ギターとドラムというバンドとしての最小構成が作り出す音が、ドミコの最大の魅力となっている。とにかく構成する音がシンプルというよりプリミティブでありながら、その中で様々な仕掛けがされており、厚みのあるサウンドを作り上げている。
楽器の音やコーラスなど、とにかくクリエイティブが剥き出しなのだ。作り手が2人しかいないことで、2人が作る独特なグルーブ感をそのまま感じることができる。
ドミコ / まどろまない
ガレージバンドの定義はともかく、”いっせーの”でガーンと音楽を始めるのがガレージバンドの醍醐味だろうと思うが、バンドの構成人数が多いほどその勢いは殺がれてしまうものだ。
2人組のドミコは、そういったガレージバンドの持つ”生っぽさ”の醍醐味を十分に感じることができる。だから、デュオやユニットではなく「バンド」として認識されるのではないかと思う。
ドミコ / おーまいがー
ドミコの潔さが作り出す無国籍な骨太ロック
「優れているのは洋楽か?邦楽か?」というのは何十年も前から永遠に続けられている不毛な論争だ。結局スネークマンショウのコントでネタになっているように「いいものもある 悪いものもある」と結論づけられるわけだが、確かに洋楽と邦楽では楽器の音に明確な違いがある。
ダイナミックレンジがどうのといった詳しい話は出来ないが、長年音楽ファンを続けている中で音の”聴き触り”の違いで大体の聴き分けが出来る。と自負していたのだが、ドミコをラジオで初めて聴いた時、このバンドが日本のバンドだとは思わなかった。
ドミコが作り出すサウンドは、ドラムの1音、ギターの1音がとにかく際立っている。邦楽として捉えると最早バランスを欠いていると言えるほどだ。こういう音の”起て方”は洋楽でよく聴かれるもので、そういうおもいきりの良さがドミコのサウンドを特異なものにしている。
ドミコ / Pop,Step,Junk!
最小限の音で作り上げるドミコサウンドの格好良さ
思い切りの良さは彼らの楽器にも表れている。ギターは無闇にエフェクターを重ねることなく、音の粒が立つ程度に気持ちの良いディスト―ション具合に抑えられている。さらにドラムセットは一見して分かるように、タムをひとつ外してしまっている。
ドミコ / united pancake
ただでさえ2人組で楽器の音を重ねられない状況にあって、通常のドラムセットからさらに一つ外してしまうとは豪気だ。ロックバンドはかくあるべきという気もする。
そんなプリミティブな楽器で奏でる彼らの、どこかルーズなグルーブは最高にカッコいい。原始的なロックサウンドでありながら、新しさも感じることができるものとなっている。
ドミコ / プライマリケア
「クセがすごい」ドミコの日本語歌詞
さらに、このろくすっぽ聴きとれない日本語歌詞が、独特なドミコのグルーブと相まって中毒性を発揮する。歌詞を見るとガッツリ日本語の歌詞だが、間違ってもカラオケで歌おうとは思わない。
歌詞の乗せ方のクセがすごくて自分で歌えるとは思えない。
ドミコ / ロースト・ビーチ・ベイベー
しかし、一度聴くと聴きとれる日本語サビが耳から離れない。ここ最近「こんなのおかしくない?」とアタマの中でループを続けている。もはやなにが「おかしくない」のかもわからない。
久々に日本語ロックにハマりそうな予感がしている。