
Aimerという歌手をご存じだろうか?
そんな質問は、もう愚問になってしまった。Aimerは既に多くの人たちにその才能を認められ、現代を代表する女性アーティストの1人として認知されている。
しかし彼女の才能は、まだまだ底が知れない。デビューから5年が経ち、日本武道館公演を終えたことも、1つの通過点に過ぎないように思えるのだ。
これからの活動に注目すべきAimerについて、改めてこちらでチェックしていきたい。
Aimerという存在
女性ソロシンガーであるAimerについては、詳しいプロフィールが公開されていない。
しかしその歌声と歌唱力は、多くの人の胸に深い印象を残すだろう。
ただ上手いだけではない。聴いていると、上下に激しく揺さぶられるような感覚に陥る。
他の作業をしていたとしても、彼女の声はそれを止めて、ふと耳を澄まさせるような力があるのだ。
デビュー曲である「六等星の夜」を聴いてみると、最初から彼女にはそういった力は備わっていることがわかる。
六等星の夜
透き通っていながら、しっかりとした実感がある。Aimerの歌声は、全方位から人を包み込むような、技術だけでは決して到達できないような力があるのだ。
しかしその歌声は、生まれつきのものではないのかもしれない。
声が出なくなった失意の時期
Aimerは15歳の頃、まったく声を出せないという症状に襲われたことがある。
すでに幼少の頃から歌に心惹かれ、ピアノやギターを弾いていた彼女にとって、これほどショックなことはなかっただろう。
治療として、彼女は半年間にも及ぶ「沈黙療法」を勧められる。声によるコミュニケーションは当然不可能。何よりも、歌うことができない時期が続いた。
歌手を夢見る少女にとって、沈黙による日常の支配は絶望以外の何物でもなかっただろう。
このときの心境は、1stアルバム「Sleepless Nights」に収録されている「夜行列車 〜nothing to lose〜」の歌詞に反映されているとのこと。
Sleepless Nights
しかしこの失意に耐え抜いたことで、彼女は歌手として、Aimerとして活躍するチケットを手にすることになった。
治療をきっかけに今の歌声にシフトしていった
Aimerの声が出なくなった原因は、喉への負担だったらしい。
そのため彼女は、なるべく負担を軽減するための歌い方を模索しはじめる。
結果が、今現在のAimerだ。自分の声を丁寧に分析し、1つ1つ改良していくことが、唯一無二の歌声を作り上げたのだろう。
彼女の声でしか表現できない楽曲は、広い層からの支持を受け、多くのタイアップを実現した。
有名なところでは、アニメ「機動戦士ガンダムUC」のEDテーマ「StarRingChild」や「RE:I AM」がある。
StarRingChild
一般人はもちろん、プロの歌手であっても、自分の歌声や歌い方を見直すのは難しい。
しかし彼女には、沈黙しなくてはならない時間があった。だから自然と、自分の声に向き合うことができたのだ。
それは歌手として成功するための、大きなきっかけになったことはいうまでもない。
まだまだ底知れないAimerの底力
彼女の歌声は、失意のなかで息を吹き返した。しかしそれはまだ、進化の途中であるのかもしれない。
1度自分の声を修正したという経験は、これからの歌手生活においても、メリットとなるだろう。
Aimerが自分の声をさらに高めていこう、歌手として成長していこうと思う限り、私たちはその結果を耳にしていけるはずだ。
最新曲である「ONE」を聴いてみても、さらに磨きがかけられた彼女のボイスに出会える。
ONE
Aimerの才能に驚いている私たちは、まだまだこれから先も驚くことができそうだ。
現状をさらに超えていこうとする彼女の存在には、これからも注目していきたい。