エモいボカロ曲ロス!?だったら「バルーン」を聴け!!

最近音楽に対する「エモい」という言葉はすっかり定着した。

エモいは、英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」[1]、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」[2]などを意味する日本語の形容詞。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき[1]、「うまく説明できないけど、良い」とき[3]などに用いられる。

なるほど。私も主にこれと同じ用法で使っている。
で、今までのボカロ界隈でエモいといえば VOCAROCKジャンルだったり特定のアーティストをさしたりしてきたのだけれど、最近はめっきりご無沙汰していた。
「こんなんじゃいかんな」とザッピングしていると、とんでもないアーティストがいることに気づいたのだった。

バルーン」。

GUMIやV flowerを使用して楽曲制作をしているアーティストなのだが、これがまた「エモい」という表現にぴったり。
むしろ他の語彙が見つからない。
ボカロに興味がある方、バルーンの楽曲から奥深いこの世界に入ってみようじゃないか!

バルーンって何者?

バルーンとは関東在住の作曲家で、「須田景凪」という名前でシンガソングライターとしても活動中のアーティスト。
須田景凪としては2017年の12月18日に「レド」を発表。

「レド/須田景凪」

音作りとしては00年代後半から脈々と続くギターロックを彷彿させる。
「レド」はハイトーンのサビと、Cメロ前の間奏の音色が特徴。
焦燥感を煽る歌詞が一部の人間にどストライクで、動画を主につけているアボカド6(漫画家。バッドエンドやメリーバッドエンドの短編漫画をTwitter上にあげて大ブレイク)の世界観が相乗効果をもたらしている。
現在までに4枚の音源(そのうち1枚は須田景凪名義)を発表していて、現在もっとも注目されるミュージシャンである。

バルーンの楽曲、まずはこれを視聴しろ!

「シャルル」


この曲なんとダブルミリオンを記録している。
投稿されたのは2016年10月12日。ミリオンを達成したのが2017年4月11日、ダブルミリオンは同年11月21日に達成。

それまでなかなかヒット曲、というのにめぐまれなかった印象のバルーンが、爆発的にブレイクした曲。
どのメロディーを抜き出しても最高なのだが、サビ前の「深い青で満たしたのならどうだろう こんな風に悩めるのかな」の部分が階段音階になっていて最高に気持ちがいい。
本人のセルフカバーも投稿されており、聴き比べるのも楽しい。

ボカロ版は「V flower」というボーカロイドを使用しているが、この「V flower」を使用した楽曲では現在最多再生数動画となっている。
私もこの楽曲で初めて「V flower」を聴いたが、この曲調にぴったりと合っているボーカロイドで、バルーンの曲と「V flower」の相性は最高と言っても過言ではないだろう。

「メーベル(セルフカバー)」


「メーベル」は是非ご本人が歌唱しているこちらのバージョンを聴いてほしい。
サウンドがおしゃれな上に、生のボーカルが乗ることによって持ち味である「エモさ」を増強させている。

「歌ってみた伝説入り」(100万再生)を記録しているのが納得いく仕上がり。
間奏部分では、(イヤホンで聴くとよくわかるのだが)左にメタリックなカッティングを入れることによって飽きさせない工夫がしてある。

これ以降の曲はどれもクオリティが高いので、大ヒットした「シャルル」以前の楽曲から数曲を紹介させていただきたい。

「嘯く終日」

この楽曲はGUMIを使用した楽曲。
イントロからしてハートをがっちり掴まれた方もいるのではないだろうか。
ぐにゃんぐにゃんのメロディにパーカスが心地よい。

サビへの盛り上がりはやや足りないが、キャッチーで聴けば聴くほど楽しくなってくる。
ボカロ界隈では一種の不安になる曲が流行る時期があるが、これもそういう種類の曲である。

「愛及屋烏」

珍しい初音ミクとV flowerのデュエット曲。
この段階でバルーンのV flowerへの「代弁者」としての方向性が決定づけられたのだと感じられる。

もちろんミクもGUMIもボーカルという点で「代弁者」ではあるのだが、この楽曲はカップルの会話をミクとV flowerにさせており、V flowerは男性役。
性別のないボーカロイドを男性役に置くことにより、より男女両方の視点を深めることができている。

バルーンの魂の叫びが聴けるのはもうすぐ!

お聴きいただいたように、バルーンの楽曲は10年代ロックを代表するような音作り、歌詞、構成だということがお分かりいただけたと思う。
私はバルーンに出会うまでV flowerの存在を知らなかったので、新しいボカロに出会えたという点でも彼の作曲活動を応援している。

ボーカロイドは使用者によりさまざまに表情を変えるが、バルーンのボーカロイドへの姿勢は「代弁者」ということに尽きる。
自らの感情、感覚をボーカロイドというフィルタを通し、よりはっきりと伝わりやすくする。

一見王道の作り方のようだが、ボカロの種類がさまざまあるために、現在ではあまりこういった作曲をする人間は減ってきている。
「エモい」と表現したわけだが、この感情の起伏をうまく聴かせてやるために、バルーンはボカロを使用しているのである。

さて、いろいろと書いてきたが、バルーンこと須田景凪の1stライブが迫ってきている。

須田景凪 1st LIVE “Quote”

会場:渋谷WWW(http://www-shibuya.jp
OPEN 18:30 / START 19:00
料金:前売¥3,500(税込 / 立見 / ドリンク代別)
一般発売日:2018年2月24日(土)

今一番アツいエモーショナルなロックを聴きたいのなら、このライブは外せない。
ぜひとも会場で、彼のレーゾンデートルを確認してきてほしい。

文=阿部春泥

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