アーティスト「のん(能年玲奈)」に可能性はあるか?

2018年の元旦「のん」の2ndシングル『RUN!!!』がリリースされた。昨年は自身がレーベルマスターを務める『KAIWA(RE)CORD』を発足し、年末12月28日に銀杏BOYZやサンボマスターなどが出演する『のん、KAIWA フェス Vol.1 ~音楽があれば会話が出来る!~』を開催。

独自のプロモーションを続ける「のん」であるが、メディアは一様にして”腫れ物” に触る扱いをしていてなかなか音楽性など伝わってこないので、この機会にじっくり彼女の音楽活動とその可能性について取り上げてみたい。

「のん」って誰?

少なからず「のん」を知っていなければこの記事に触れていないと思うが、一応説明すると「のん」とはNHKの朝ドラ「あまちゃん」に主演し、若手女優として注目されながら在籍芸能プロダクションとのいざこざで本名での活動を禁じられてしまった「能年玲奈」その人である。

芸能関係のいざこざについては詳しく触れないが、本名なのにその名前が使えないとは「千と千尋の神隠し」のような話だと、芸能界の理不尽さを感じさせる顛末となった。

その能年玲奈が、2016年公開のクラウドファウンディングによる初のヒットアニメ映画『この世界の片隅に』で声優としての演技が称賛され世間から再注目される中、2017年、突然に「KAIWA(RE)CORD」(カイワ・レコード)の発足を発表し、音楽活動を始めた。

「のん」の目指す音楽とは?

早速、2018年元旦にリリースされた「のん」のニューシングル『RUN!!!』のMVを見てみよう。

のん / RUN!!!

う~ん、カワイイ・・・
楽曲はSachiko Mが作詞・作曲、大友良英編曲という「あまちゃん」で「暦の上ではディセンバー」や「潮騒のメモリー」を手掛けたチームが関わっている。曲調はリンドバークを彷彿とさせる元気なガールズロックだが90年代初頭感がハンパ無い。

試しに『RUN!!!』のMVの音を消して裏でリンドバークの曲を流してみると、ばっちりハマってしまう。

「暦の上ではディセンバー」や「潮騒のメモリー」がヒットしたのは、ドラマ「あまちゃん」の上でやや誇張されたステレオタイプなアイドル歌謡曲がドラマの世界観とマッチしていたからで、それをその世界観無しにしてしまえば、ただ「古臭い歌謡曲」として成立してしまう。

それでもベッド・インのように”分かってやっている”のならまだ良いのだが、なんかガチっぽいのが痛々しさを醸し出す。

デビューシングルのMVもチェックしてみよう。

のん / スーパーヒーローになりたい

う~ん、カワイイ・・・
こちらの楽曲は、なんと高野寛による作詞・作曲である。高野寛といえばこちらも90年代初頭にトッド・ラングレンによるプロデュースでヒットを飛ばした知る人ぞ知るシンガーソングライターだ。

高野寛 / 虹の都へ

「スーパーヒーローになりたい」は高野寛らしい曲調ではあるが、こんなチープなギターポップ然としたサウンドを作る人ではなかった。これは能年玲奈が望む音楽性に寄せた結果なのだろうか。

1st、2ndそれぞれのシングルには能年玲奈自身によるライティング曲も収められているが、ハッキリ言ってしまえば軽音サークルの学生が作った楽曲レベルのものである。

今、現状の「のん」の音楽活動を見る限り、「のん」の持つビジュアルと能年玲奈の知名度に全乗りしているように思える。

女優としての「のん」ではダメだったのか?

能年玲奈は将来的にシンガーソングライターとしての成立を目指しているのかもしれないが、現時点では楽曲提供を受けてシングルを発表しているガールズポップシンガーである。

ステージングはともかく、MVを見る限りでは歌は下手では無い。広末涼子の『MajiでKoiする5秒前』くらいの仕上がりにはなっていると思う。しかし、能年玲奈を女優として見れば、残念ながら同年代の女優である高畑充希や門脇麦ほどハッとさせる歌声では無い。

高畑充希 / チョーヤ梅酒CMソング「ワタシは酔わない」

門脇麦 / REBORN(映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」主題歌)

女優には歌の上手い人も多く、昨年MONDO GROSSOとコラボ?した満島ひかりなどは、元々J-Popグループの出身ではあるが、女優業を軸に歌手としても活動している。

満島ひかり / 群青

他にも唯月ふうかなど数多のミュージカル女優や長澤まさみ、多部未華子、杏など女優業を主軸としながらも歌手として高い評価を得ている人は多く、そういう女優であれば歌に関わる仕事も自ずと生まれるので、能年玲奈が「歌を歌いたい」「音楽をやりたい」と言うならそういった道もあったように思う。

「能年玲奈」に乗っかっているのは誰か?

彼女の意思ならば仕方が無いのだが、トラブルを抱えた新人女優が「音楽をやりたい」と言い出しても音楽レーベルなどそうそう簡単には作れない。そうなると能年玲奈の知名度と女優業がままならない不安定な状況を利用して、神輿を担いでいる人物が居るということが考えられる。

「のん」の起ち上げたレーベル『KAIWA(RE)CORD』のバックを調べるとクラウドファンディングを手掛ける「CAMPFIRE」による音楽部門「CAMPFIRE MUSIC」が全面サポートしているそうだ。

「CAMPFIRE」とは、浅慮な企画を重ね方々で問題を起こしながらビジネスをしている家入一真が代表を務める企業である。

関連記事「CAMPFIRE MUSICに訊く、歌手としての「のん」とどう関わる?」

なるほど。作品のクオリティとは関係なく、集金さえできれば自称アーチストのやりたいことを最短で実現できる「夢のクラウドファンディング」の広告塔として、能年玲奈を担ぎあげた様だ。

しかし、もう少し真面目に「舵取り」する人間が周りに居ても良いような気がする。デビューシングルにはRCサクセションの「I LIKE YOU」とサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにお願い」がカップリングされているのだが、この古臭い選曲は能年玲奈の趣味なのだろうか?

アレンジも能年玲奈の高く無い演奏テクニックに合わせたのか、学祭感がハンパ無い。「夢のクラウドファンディング」を利用してこんな音楽が世の中に溢れるのは、音楽ファンとしては勘弁して欲しい。ニコニコ動画の自主投稿で3年くらい修行していただきたいものだ。

2018年、能年玲奈の演じる「のん」が本気で挑む音楽が開花することを期待したいと思う。

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