おばさんは今更ながらポルカドットスティングレイを聴いた

タイトルの通りなのだが、私はアンテナ感知度が低い。
好きなものを好きなだけタイプで、「流行っているものをたっぷり」タイプではないのだ。

なのでポルカドットスティングレイが出てきたときも、「なんだか舌を噛みそうな名前のバンドだな」と思ったことは覚えている。
そしてそれがヒットしていることも知っていたのだが、なにぶんおばさん、TVを見ない。

見るのは鉄腕DASHとマツコ有吉のかりそめ天国ぐらいである。

そしたら一瞬だけ、飲料水のCMに心奪われた。
そう、それがポルカとの出会いだったのである。

なんだこれは、とてつもなく良いじゃないか!

ポルカの戦略とかマーケティングとかは記事にしている方がいるので、私は純粋に出会ったときの感想を述べたいと思う。
今までロック畑で成長していた私は、女性ボーカルというものに馴染みがない。

それが、雫の歌声を聴いた瞬間「ガーン!」と衝撃が走った。
初めてきちんと、「流行っているものを聴こう」と思った。

そうして聴いたのがこちらである。

ポルカドットスティングレイ/ICHIDAIJI


第一印象は「爽やかな椎名林檎…」である。

本人のプロフィールを見る限り椎名林檎が好きらしいので、これはあながち外れではないようだ。

1番が終わった後のギターが「え、こんな展開の仕方するの!?」といった感じで、ストーリー仕立てのMVを盛り上げるので映像を最後まで見て欲しい。
そう、ポルカは「映像」にしっくりくるバンドであった。

MVを観る!観る!観る!やば〜い好き!

ポルカドットスティングレイ/サレンダー


ジャジーで大人の雰囲気が漂うこの楽曲は、かなり聴いているだけでわくわくするし心臓の裏の毛を撫でられたかのような感覚があるのだが、そのMVに「時間を止めるスマホ」と「パンダの頭の構成員」が出てくる。
設定もきちんと読み取れるMVなので、聴きながら観るのにまったく飽きない。

ポルカドットスティングレイ/人魚


人魚とタイトルにつけて、視力検査をMVにぶちこんでくる感覚がおしゃれである。
文字の出方は近年のボカロ曲など「演出」にこだわっており、歌詞の重要な部分が伝わってくる。

そう、とにかくポルカは映像に力を入れている。

一時期私たちの世代ではGLAYの某曲のPVが盛り上がってことがあったが(それはポルカと逆の意味で)近年は楽曲に触れるのにyoutubeなどから入るひとも多く、彼らの映像に対する情熱は素晴らしいと思う。

もしかしてポルカは陰キャにも優しいの?

ポルカドットスティングレイ/エレクトリック・パブリック


最後にこのMVを貼っておく。
ドラムのにいちゃんが刺身の上にタンポポ置いてるところで私は腹筋が反応しましたね。

「刺身にタンポポのせる仕事」とは、報われない仕事、楽な仕事としてネット上ではいまだに使われている言葉だ。
早弾きを取り入れたこんなスタイリッシュな楽曲になぜタンポポ…とは思うのだが、それが絶妙なのである。

そもそもこのMVのストーリーは、冴えない日常を送っているメンバーたちが「半泣き黒猫団」という悪と戦う、人々を助けるというもの。
これってもしかして自分の身にも…と思わせてくれるだけの設定が詰め込まれている。

楽曲もよければ映像もいいとかはやらないわけがなかった

ポルカドットスティングレイ/テレキャスター・ストライプ


最後に雫の変身が楽しめるMVを置いておこうと思う。
ドラム式洗濯機はなんとなく夢を掻き立てられる装置であるが、雫はそれに出入りすることで姿を変える。
楽曲とストーリーだけではなく、ファンサービスまでしてくれるところには頭がさがる。

久しぶりに最近のロックバンドで「これはいい」と思えるものに出会えた。
是非MVからでいいので、ポルカの世界に触れてみて欲しい。

これが歌詞を見ながら聴くとちょっと印象が変わっていいんですよね…。

文=阿部春泥

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