2017年のロッキーホラーショーはヤバい!!

11月7日からスタートするカルトロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』。国内では5年ぶりとなるこの公演がいろいろヤバい。

ライブやフェスにはよく行くけど、演劇やミュージカルには縁が無いという音楽ファン、エンタメファンは多いかもしれないが、そういうに人こそ、この2017年度版の『ロッキー・ホラー・ショー』は是非チェックすべきかもしれない。そうお勧めしたいポイントがいくつかある。

音楽ファンを刺激する出演者がヤバい

まず、女王蜂が楽器隊で参加し、アブちゃんが出演している。

さらに東京ゲゲゲイを率いる牧宗孝が振付で参加、もちろん東京ゲゲゲイのメンバーも出演。

さらにさらに、日本屈指のグラムロッカーROLLYが20年以上に渡り関わっており、ついに今回の公演で音楽監督(兼ナレーター役)を務めることとなった。

もうこれだけで、分かる人にはその「ヤバさ」は分かっていただけると思うのだが、『ロッキー・ホラー・ショー』というミュージカル作品自体が元々「ヤバい」ものなので、そのことをお伝えしておこう。

『ロッキー―ホラーショー』の持つヤバさ

『ロッキー・ホラー・ショー』は1973年ロンドンでの初演以来、世界各国で上演され映画化もされたメジャーなミュージカル作品だ。日本でも1986年には日本人の俳優による公演が成され、メインキャストであるフランク・N・フルター役を1995年の公演以降2000年の公演までROLLYが、2011年の前回公演からは古田新太が務めている。

日本でのミュージカル公演というと、劇団四季か帝劇での公演が有名な他は、あまり盛況でもなく「ミュージカルを見る」ということ自体が浸透していないので、そのステージのイメージがしづらいかもしれないが、『ロッキー・ホラー・ショー』は劇団四季や帝劇で公演されるミュージカルとは大きく異なる。

『ロッキー・ホラー・ショー』はミュージカルでありながら、ライブを観るように観客が一緒になって、踊り唄い騒いで楽しむ作品となっている。だから、劇団四季は同じ”ロックミュージカル”である「ジーザス・クライスト=スーパースター」は演っても、『ロッキー・ホラー・ショー』の公演はしない。

さらに言えば、作品全体が退廃的でストーリーも滅茶苦茶でなのだ。ゲイのマッドサイエンティストが登場し、人造人間「ロッキー・ホラー」を巡ってホラー趣向の退廃的なコメディ劇を観客を巻き込んでミュージカル仕立てで繰り広げる。

『マツコの”知っている世界”』を体験しよう

『ロッキー・ホラー・ショー』が書かれた1973年のイギリスと言えば、後のドラァグクイーンや現在のヴィジュアル系バンドにも通じる「グラム・ロック」全盛の頃で、グラム・ロックの持つ妖艶さやいかがわしさ、チープさなどが『ロッキー・ホラー・ショー』の登場人物や世界観に色濃く反映されている。

セクシュアル・マイノリティーであるオネエ系タレントが完全に市民権を得ている日本で、言わば「マツコの”知っている世界”」なミュージカル作品が、相応しいキャストで公演されるのだから、否が応にも盛り上がらない訳は無い。

前回の2011年公演までの『ロッキー・ホラー・ショー』は、世界でも「お行儀が良い」と称されている日本人の観客にむけて、演劇鑑賞寄りに演出されていたのだが、今回の公演では河原雅彦によりライブ感を高めた演出が成されるそうだ。

だから、ライブやフェスのノリに慣れた人の方が、より楽しめるミュージカルになるのだろう。

この奇怪で妖艶で歴史的なカルトミュージカルを、是非とも体験してみたい。

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