意外と知らない「ローディー」の仕事

毎日各地で行われているライブ。
どれだけインターネットやデジタルコンテンツが普及しても、生で音楽を味わえるライブという文化は衰退することはないだろう。
そんなライブ開催にあたり、多くの知識と経験で支えている縁の下の力持ちがいる。
それがローディーだ。
日常で耳にすることはあると思うが、実際どんなスキルを持ってどんな仕事をしているのか?
今回は具体的なローディーの仕事について迫ってみようと思う。

ローディーとは?

ローディーと聞くと、アーティスト機材の積み込み・積み下ろし・運搬などざっくり言ってしまえば荷物持ちのようなイメージから、大物アーティストの付き人のような浮かぶ。
ただ実際ローディーが行っている仕事は多岐にわたり、また必要とされるスキルや現場経験もあり、ライブ開催においては重要で欠かせない存在なのである。

ローディー(roadie)とは、主としてロックやフォークなどのポピュラー音楽の業界で、楽器の手配、積み込み・積み卸し、輸送(トランスポート)、セッティング、エフェクティングといったコンサート業務や、楽器のメンテナンスおよび管理、ミュージシャンに対するサポートなどの業務を行う人々のこと。ロードクルー(road crew)、ロードマネージャー(road manager)と呼ばれることもある。
※Wikipediaより

もともとはコンサートツアーを意味する「road」という言葉が語源で、その名の通りツアーや長時間のライブになればなるほど、このローディーの存在は必要不可欠なのだ。

ローディーの仕事を一部見てみよう

楽器や機材の搬送

車両から楽器や機材の積み下ろしを行う。
要領のよい順番で積めているか?振動や重圧がかかっても大丈夫か?など配慮しながら、短い時間の中でスピーディに行う必要がある

意外と知らない「ローディー」の仕事

機材のセッティング

ライブ開始前に、会場で楽器や機材のセッティングを行う。
本番前の限られた時間でマイク、アンプ、モニター、各スタンドやケーブルなどの配置を他スタッフと連携しながら効率よく組み立てていく
セッティング後は、リハーサル前の楽器のチューニングなども行う。

意外と知らない「ローディー」の仕事

リハーサル~ライブ本番

曲順や使用楽器などを確認し、音作りを行い、本番のアーティスト同様楽器を持ち替えたりしてリハーサルを進行する。
またトラブルを予想して万全なセッティングを行っても、ライブ中のトラブルは付き物。
本番中はステージ袖で待機し、スタンドの転倒やケーブル抜け、ギターの弦が切れた場合など、迅速にトラブルの対処にあたる。
重要なのは、アーティストのパフォーマンスの妨げにならないよう、臨機応変に動くことだ。

意外と知らない「ローディー」の仕事

機材の撤収、搬出

ライブ、客出しが終わったら楽器や機材をすばやく片付け、会場からの搬出を行う。
搬入から搬出まで、楽器や機材の破損はないかなど管理・メンテナンスも行っている。

意外と知らない「ローディー」の仕事

いかがだろうか?
見てわかるように、単純な体力仕事から、楽器や音楽に関する知識セッティングや音作りの際に必要な現場経験、他スタッフとしっかり連携できるコミュニケーション能力
ローディーにはさまざまなスキルが必要とされるのだ。

更には、長いツアーなどで精神的に疲弊しているアーティストの精神面のサポートやケアなどを行うこともある。

ローディーになるためには?

上記の通り、ローディーには音楽や楽器全般の知識、最低限の演奏技術を身につける必要がある。
そのため音大や専門学校などで基礎知識を身につけてから現場に入ることが多い。
または、ライブ制作会社や音楽プロダクション、ライブハウスなどにまずはアシスタントとして採用された後に、現場で学んでいくケースもある。

最初の内は仕事内容も厳しく給料も決して高いとは言えず、根気が必要であり、また音楽や楽器、ライブが好きということが絶対条件になる。

気になるローディーの給料

平均年収は300万円程度
正社員という雇用形態は少なく多くが業務委託契約であり、月給だいたい13~15万ほどで、固定給+各現場での歩合制が多いようだ。
※時給で働くアルバイトの場合は900円前後から。

専門的な知識が必要とされ、体力的にも厳しい仕事内容の割には見合った給料とは言いがたい。

ただ最初の内は根気よく続け、知識や経験が増えてくると、担当するアーティストなどにより大きな昇給の可能性もある。

最後に

今回はローディーの仕事内容、給料や必要な知識などを見てきたが、多少ローディーに対する印象が変わったのではないだろうか。

ライブ会場に足を運ぶと、目線や気持ちはもちろん大好きなアーティスト、キラキラしたステージ上のアーティストに注がれる。
ただそのアーティストがキラキラ輝けるのは、ローディーが裏でそのための条件を揃えているからなのである。

光を浴びずに人目に触れることなく、最大限に知識や経験を7駆使し、体を動かし、最高のライブとなるために日々奮闘する不可欠な職人たち。

そのおかげで毎回素晴らしいライブが開催できることに、もう少し敬意と感謝の意を表してもよいのかもしれない。

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