ニコ動出身の顔出しNG3ピースバンド「サイダーガール」のメジャー2ndシングル「パレット」が3月28日にリリースされた。
この「パレット」は『花とゆめ』に連載中のクソ甘恋愛漫画『兄友』のドラマ&映画の主題歌として書き下ろされた、サイダーガールらしい清涼キラキラソングだ。
キミトド、コイアメ、オレカノ、イツコイ、ニゲハジ、アノハナ、モシドラって・・・
「 ア オ ハ ル かよっ!」
“ハナユメ”に連載中の”アニトモ”ってだけで、もうゼッテー観ねーわ!こういう、とにかく4文字で語られるDQNタイトルの恋愛ドラマや恋愛映画は、自分のイケてない恋愛コンプレックスを刺激するんで気分が悪いんだよ!
・・・ついつい憤ってしまったが、それもこれもサイダーガールの清涼感にやられて、「もののけ姫」の” 乙事主様”のように、指先からドロドロとしたものが出て勝手に打ち込んでしまったのでご容赦いただきたい。
サイダーガール / パレット(兄友Ver)
陰キャなニコ動っぽさが無いサイダーガール
サイダーガールはニコ動上で”ゆりん”として活動もしていたギター・ボーカルの”Yurin”と、共にボカロPとして活動している”村人P” 知(とも)と”もっふーP” フジムラ、「演奏してみた」にドラム演奏を投稿していた”トルル”の4人で、2014年より活動を開始している。
2015年にはファーストミニアルバム「サイダーのしくみ」をリリース。この年に早くもドラム担当のトルルが脱退してしまうが、翌年にはタワレコ限定販売のミニアルバム「サイダーの街まで」を含め3枚のミニアルバムをリリースし、2017年にリリースした「エバーグリーン」でメジャーデビューとなった。
サイダーガール / エバーグリーン
ニコ動出身アーティストをバカにするつもりはないが、ニコ動投稿者が寄り集まって短期間でここまでメジャー指向の音楽性を発揮するのは稀なケースだろう。
サイダーガールの創る音楽には、宅録・DTMで死だの病みだのと陰鬱な歌が多い”ニコ動”っぽさが全く感じられない。
サイダーガールがこだわるパブリックイメージ
サイダーガールのメンバーはネットを含めメディア上で顔を出していない。
しかし、顔が分からないだけでメンバー達のビジュアルは使われており、ライブでは普通にステージに立っているので、本職の都合で顔が出せないGReeeeNや人嫌いをこじらせて顔出し出来ないAmazarashiや新生命体という無理目な設定のMAN WITH A MISSIONなどに比べて、その規制は緩い。
だが、自分達のビジュアルをパブリックイメージとしない代わりに、マルコメ味噌の様に「サイダーガール」というイメージキャラクターを立ててMVを公開している。
サイダーガール / オーバードライブ
「せっかくMV作るなら、自分達バンドメンバーが映っているより、かわいい女の子を映した方がいいでしょ。」くらいの意識かもしれないが、そういうことなら大賛成だ。back numberやKANA-BOONにも出来ればそうしてもらいたいものだ。
このイメージキャラクターの「サイダーガール」はかなり厳選されている様で、他のアーティストのMVに登場する様な”かわいい・・・かもしれない”というような微妙なかわいさではなく、ホントにかわいい娘が選ばれている。
初代はモデルでインスタグラマーとしても有名な”るうこ”が務めた。
サイダーガール / ドラマチック
二代目はサイダーガールは、現在シーブリーズのCMにも出演中の池間夏海。
サイダーガール / メッセンジャー
そして、今年よりミスセブンティーンでグランプリを獲得した杉本愛里がサイダーガールを務める。
サイダーガール “3代目サイダーガール”決定!!
このカワイイ女の子のMVも功を奏し、サイダーガールはYoutube上で認知を拡げている。しかし、ただカワイイ女の子が出ているだけならアイドルのMVと変わらない。それだけでサイダーガールの支持が拡がっている訳ではない。
陰キャ、キョロ充の”アオハル”コンプを打ち抜くサイダーガールのキラキラロック
世の中の多くの人はポカリスエットやシーブリーズ、カルピスウォーターなどのCMで見られるような”まぶしい青春”などには縁が無い。
サイダーガール / メランコリー
ああいうCMで演出される青春像とは、多くの人が”憧れる”青春の姿なのだ。なぜなら誰もが知っている、生臭い匂いのする様なリアルな青春像を見せても、飲料水や制汗剤のプロモーションにはならないからだ。
サイダーガールの音楽には、誰もが知っているが、誰もが体験した事の無い「青春」のイメージに通じる”清涼感”を感じる事ができる。だからイメージキャラクターとしてのカワイイ「サイダーガール」達が、サイダーガールの音楽をバックにした時に映える。
この、キラキラした”清涼感”を感じるロックというのは、多くの企業やコンテンツクリエーターが使いたがる。若い女性タレントのイメージにも共通する、元気ハツラツで、若々しくポジティブで清潔なイメージは、企業プロモーションには必須だ。
サイダーガール / パレット
サイダーガールが、次々とCMや映画、ドラマ、テレビ番組などとタイアップが決まっているのは、レーベルのごり押しプロモーションなどではなく、ちゃんと理由があっての事なのだ。
これからも、CMやテレビ番組、映画などでサイダーガールの清涼感あふれるバンドサウンドを聴く機会が増えていくのを楽しみにしたいと思う。