2017年は、ボーカロイドこと初音ミクが10周年を迎えた記念の年だった。
それに合わせてさまざまな企画が組まれ、コンピレーションアルバムの発売などによって改めてそのポテンシャルを感じさせてくれたことは記憶に新しい。
懐かしのボカロPたちもこれを機にそれぞれのアクションを見せたことで、我々ボカロ世代にとって2017年は最高にテンションの上がる年となった。
しかし一方で、「この10周年という機会を活かして、新規のボカロリスナーを増やせないだろうか」という思いもある。
10周年を祝う記念なのだから、過去の曲や懐かしのPたちに注目が集まるのが当然だ。しかし現行のボカロ曲のなかにも、10年間に勝るとも劣らない新星たちがたくさん生まれている。
だからこそこちらでは、10周年のアニバーサリーイヤーである2017年に発表された新規のボカロ曲をチェックしてみたい。
ボカロはこの10年で、たくさんの名曲を送り出してきた。
しかしそれは決して「過去形」ではない。今現在もまだまだ、名曲の連鎖は続いているのだ。
久しくボカロから離れていた貴方、「ボカロってどんな感じなの」と期待と不安半分の君、まずは個人的におすすめできる以下の5曲をチェックしてもらいたい。
リバースユニバース
2015年から活動している「ナユタン星人」によって発表されたこちらの楽曲は、電子的なメロディによってボカロらしい中毒性を発揮してくれている。
歌詞の内容がこれまでのボカロ曲に関係していて、タイトルや歌詞のフレーズを探すことができるのも魅力。
まさに10周年だからこそ誕生できた楽曲となっていて、新規リスナーも長年のボカロファンも楽しめるようになっている。
命に嫌われている
人生を振り返ることを余儀なくされるような鋭い楽曲。
思春期として悩み、そして大人になってからも悩まざるをえないような世の中においては、「命に嫌われている」と叫べるパワーがどこかで必要になるのかもしれない。
制作者である「カンザキイオリ」は2014年からデビューしているPだが、殿堂入りはこちらの楽曲が初めてのようだ。
しかし過去作も十分な魅力を持つものばかりなので、これを機に視聴をおすすめしたい。
小さな恋のうた (Synth Rock Cover)
モンゴル800の名曲をカバーした楽曲。
ただのカバーではなく、「ボカロの表現方法ヘの挑戦」ともいえるようなアレンジが特徴的で、聴いているとその独特の音が強い印象を与えてくれる。
特にサビの後半部分「Ah~」はとても美しく響くため、ぜひ聴いてみてほしい。
スターナイトスノウ
冬をイメージさせるボカロ楽曲は多々あるが、2017年にもまた名曲が追加されることになった。
王道な構成でありながらも大サビに向かって盛り上がっていく勢いは素晴らしく、今後もポップなウィンターソングとして定着することが期待される。
「SNOW MIKU 2017」のテーマソングでもあるため、オリジナルMVの完成度にも注目してほしい。
君が飛び降りるのなら
個人的に一押しの楽曲。
ストーリー性のある歌詞は聴いていて最後まで飽きさせず、ちょっと笑ってしまうようなユーモアも備えた名曲となっている。
途中の「占い」が最後のサビに効いてくる構成は見事としかいいようがなく、ばかばかしさを感じながらもきっと生きることに前向きになることができるだろう。
新規曲はこれからも生まれる
ボカロ楽曲は現在も、コンスタントに新曲が発表されている。
ニコニコ動画だけでなくユーチューブも一般的となった昨今だからこそ、もっとたくさんの人たちにその魅力が伝わるのではと筆者は考えている。
ボカロは自分で魅力的な楽曲を「発掘する」という楽しみもあるので、過去作に浸っているボカロファンも、たまには現在の人気曲をチェックしてみてはいかがだろうか。
10周年にふさわしいだけでなく、ボカロのさらなる進化を感じさせるような楽曲が、後から後から生まれてくることに気づくはずだ。
もちろん2018年も、同様に魅力的な新曲が発表されることに期待したい。