家入レオの解放されたアーティスト性に注目

家入レオの約1年8カ月ぶり5枚目となるアルバム『TIME』が2月21日にリリースされた。

アルバム『TIME』には、日曜ドラマ「愛してたって、秘密はある。」の主題歌として起用されている「ずっと、ふたりで」をはじめ、CMソングにも起用されている「Relax」や“ビクターロック祭り”に向けて家入レオ×大原櫻子×藤原さくら名義でリリースされた「恋のはじまり」のソロバージョンを含む全13曲が収録されている。

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Superflyのコンポーザーとして知られる多保孝一と組んで制作された前作のアルバム『We』で開花した家入レオの新たなアーティスト性を、様々なアーティストとコラボレーションすることで、更なる展開を見せるバラエティ性を持ったアルバムとなっている。

「音楽塾ヴォイス」に囲われた歌姫

音楽プロデューサー西尾芳彦主宰のボイストレーニングスクール「音楽塾ヴォイス」門下生として、跳ねっ返りの長女「YUI」、病みがちな次女「絢香」に続き、現役女子高校生シンガー・ソングライターを掲げ華々しくデビューした家入レオ。

家入レオ / 春風

デビューの年に日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞し、その後もコンスタントに作品を発表し続け、昨年はデビュー5周年を迎え念願であった日本武道館での単独公演を成功させた。他にも初の連続ドラマ出演やドラマ主題歌としての楽曲起用などを重ねてはいるが、先にデビューした姉達に比べれば残念ながら小粒感が否めない。

音楽プロデューサー西尾芳彦は相当面倒見が良いらしく「音楽塾ヴォイス」の看板娘として名を掲げているYUIは、デビュー時からほとんど自作の歌をリリースしていたが、続いてデビューした絢香以降は、デビューした後も西尾芳彦が楽曲制作に長く関わるスタイルを取る。

絢香の代表曲である「三日月」をはじめファーストアルバム、セカンドアルバムのほとんどすべての曲に西尾芳彦の名前がクレジットされている。これは家入レオの場合でも同じで、前作『We』に収められた10枚目のシングル「Hello To The World」に至るまで、すべて西尾芳彦クレジットのシングルとなっている。

家入レオ – 僕たちの未来

デビューして4年の間、リリースされた9枚のシングルと3枚のアルバム、そのほとんどの楽曲は西尾芳彦名義のものとなっており、シングルとして家入レオ単独名義の楽曲は未だにリリースされていない。

この状況は「シンガーソングライター」としての在り方に疑問を抱かせるが、今作『TIME』ではさらに様々なアーティストからの楽曲提供を受け、家入レオらしさと未だ秘められたポテンシャルを示す作品となっている。

家入レオ / ずっと、ふたりで (日曜ドラマ「愛してたって、秘密はある。」主題歌)

音楽不況ど真ん中をゆく家入レオ

YUIと絢香が大きな支持を受けた2010年以前は、本格的な音楽不況の始まる直前でもあり、ドラマや映画のタイアップなどもまだ大きな影響力を持っていたが、家入レオがデビューした2010年以降、急速に音楽が売れなくなった。

いや実際には「売れなくなった」のではなく、既存メディアの影響力が弱まり”売れる”という指標が曖昧になってしまい、ヒットの規模が小さくなっただけなのだが、そんな音楽不況の中でも家入レオは一定の認知を得て「飄々と」自分の音楽と向き合い続けている。

家入レオ / Relax

家入レオはデビューこそ早かったが、彼女のアーティストとしての力量はまだ発揮されていないと思える。そのアーティスト性は、もしかしたら「シンガーソングライター」としてではないカタチで発揮されるのかもしれない。

家入レオ / 5th ALBUM 「TIME」トレイラー

家入レオが示すアーティストの在り方

自作の楽曲でも、自身が信じられるコンポ―ザーによる楽曲であっても、そこに確かに「家入レオ」としての歌声があり、家入レオらしさを示す事ができる。それが家入レオのアーティストとしての在り方なのかもしれない。

そんな、家入レオのアーティストとしての在り方を、ニューアルバム『TIME』で是非確認してもらいたい。

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