ゆずが新メンバーを募集!?プロジェクトをバネにして変わる「ゆず」を考える

超有名アーティストであるゆずの2人が、新メンバーを募集することが決まった。これは2018年の冬季オリンピックに出場する日本選手団の応援企画で、開催年にちなんだ2018名もの大募集企画となっている。

かつてゆずは2004年に発売されたシングル「栄光の架橋」が、NHKのアテネオリンピック公式テーマソングとなり、選手たちを勇気づけた経験がある。

「栄光の架橋」はその後の彼らの活動にも影響を与え、名盤である「リボン」や「WONDERFUL WORLD」につながっていった。いってみればゆずを変化させ、今の形に導いた楽曲なのだ。

そんな彼らが再び、オリンピックにまつわるプロジェクトをはじめようとしている。それはゆずファンであるゆずっこだけでなく、多くの音楽ファンにとっても注目すべきニュースではないだろうか。

彼らの今回のプロジェクトが、日本を代表するゆずというアーティストを、また1つ成長させるステージになるかもしれない。

プロジェクトを通して進化していくゆずという存在

ゆずといえば、「夏色」や「からっぽ」のようなフォークソングを思い浮かべる人は多い。もちろんそういった初期の曲はいまだにライブでも演奏され、現役の強さを持ってはいるだろう。

しかしゆずはそういった過去の曲に甘えることなく、いくつもの新スタイルを生み出してきた。

それにはいくつかのきっかけがあったように思われる。アテネ五輪もその1つ。そして今回のプロジェクトも、ゆずにとっては大きなチャンスの1つとなる可能性を秘めている。彼らはきっかけをバネにして、これまでも大きく飛躍してきた実績があるからだ。

「栄光の架橋」がもたらした分岐点

その実績として非常にわかりやすいのが、先にも紹介したアテネオリンピックのテーマ曲「栄光の架橋」だ。もともと聞いている人たちを自分たちの中に巻き込むような魅力を持っていた彼らだが、この楽曲によって力以外のワザを取得したように思える。

サビでぐわっと覆いかぶさるような勢いは、これまでの彼らの楽曲を越える何かが感じられる。オリンピックのテーマ曲として、これまで以上に多くの人たちに聞かれるという意識が、新しい手法を生み出したのかもしれない。

しかも彼らはそういった新しいスタイルを自らに取り入れながら、過去の自分たちもしっかりと保持している。「夏色」を歌うゆずもゆずであり、「栄光の架橋」を歌うゆずもゆずなのだ。

それこそが今のゆずを評価する土台となり、アーティストとして第一線を走り続ける秘訣となっているように思える。

変わらないゆずと変わっていくゆずの共存

今年2017年でゆずは結成20周年を迎えたが、振り返ってみればフォーク以外のさまざまなジャンルにチャレンジし、そのたびに「新しいゆず」を生み出してきた。

ときには過去の魅力にしばられたファンからの厳しい意見もあったようだが、「栄光の架橋」をふくめたその後の楽曲のクオリティを見ても、彼らの試みは成功であったといえるだろう。

彼らはアーティストとしてもっとも難しい、常に進化していくという作業を定着させ、変わらないゆずと変わっていくゆずの共存を見事にこなせるようになっている。

それぞれ個別の活動をしたり、別の分野に進出したりといった脇道にそれることをせず、ゆずという形をそのままに進化を続けている。確実になにかが変わっているのだけれど、変わらない「芯」のような部分が間違いなく存在するのだ。

それは他にはない彼らだけの魅力だといえるだろう。

 

北川は結成10周年頃の自分たちの活動を評し、分岐点であったと語っている。10周年といえば2007年。上記でも挙げた「リボン」や「WONDERFUL WORLD」が制作された時期だ。

その分岐点には、「変わらない」という選択肢もきっとあったように思える。しかしゆずの2人は変わることを選び、結果多くの名曲を生むことになった。

2018年という年も、今回のプロジェクトによってまた分岐点になり得る可能性が出てきたといえるのではないだろうか。

ゆずが一皮むける瞬間が近い

10年という長い歳月を経て、ゆずが再び一皮むける瞬間は近そうだ。本人たちもそれをわかっているから、かつてのようにオリンピックとの結託を選択したのかもしれない。

ちなみに今回のプロジェクトは、日本生命との連携でもある。日本生命といえばCMで小田和正氏の楽曲を利用していたことが思い起こされる。ゆずは昔、小田和正氏が持つ音楽への姿勢に感銘を受けたとの話しがある。

今回のコラボは、そういったポイントからも新しいゆずを見つけることができるかもしれない。むかれたゆずの中身がどのようなものであるのかはまだわからないが、期待して収穫のときを待つのはゆずファンとして、そして音楽に魅力を感じている1人の人間としての務めとなるだろう。

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