2017年9月、女性ソロシンガーであるYUKIがおどろきのニュースを私たちに伝えた。
契約していたソニー・ミュージックアーティスツとの契約が終了し、今後は別のスタイルで音楽活動を続けていくとのこと。
JUDY AND MARY時代から24年間もの年月を過ごしてきた事務所との決別には、いったいどのような意味があるのだろう。
そしてなぜ、ソロデビュー15周年を迎えたこのタイミングでの終了だったのだろう。
今後に期待を込めるためにも、アーティストYUKIについて迫っていきたい。
JUDY AND MARYを超えたソロ活動
1993年、YUKIはロックバンドJUDY AND MARYのボーカルとしてデビューする。
圧倒的な歌唱力と独特な歌詞の世界観を武器にした「POWER OF LOVE」はすぐに世間に受け入れられ、大ヒット曲である「小さな頃から」や「そばかす」、「くじら12号」につながっていく。
小さな頃から
その後2001年にJUDY AND MARYは解散を発表し、YUKIは「the end of shite」で本格的なソロデビューを果たした。
the end of shite
2017年現在、YUKIのソロ活動経歴はJUDY AND MARYの活動年月をとっくに上回っている。
世間ではバンドとしての彼女より、YUKIというソロシンガーの印象が強いかもしれない。
しかし今の彼女があるのは、間違いなくJUDY AND MARYがあったからだといえるだろう。
今聴いても色褪せない曲ばかりなので、YUKIに興味があるなら聴いておいて損はない。
契約終了は転機になる
レコード会社との契約終了と聞くと、どうしてもネガティブなイメージがつきまとう。
しかしYUKIとソニー・ミュージックアーティスツとの間に確執はないとされ、円満終了であることが強調されている。
発表された文面をそのまま鵜呑みにしていいのかはわからないが、「YUKI本人の意思を尊重した」という部分は、おそらく信用してもいいことではないだろうか。
その証拠に、YUKIは契約が終了した後の2017年11月22日に、32ndシングル「フラッグを立てろ」をリリースしている。
本作はYUKIのソロデビュー15周年を記念した楽曲の第2弾とされ、アニメ「3月のライオン」ではOPテーマも担当した。
フラッグを立てろ
楽曲は当然のようにソニーミュージックのオフィシャルサイトで紹介され、もめているような雰囲気は微塵も見られない。
なにより、15周年という節目の年にレコード会社との契約を終了するという行為がとても前向きで、今後のことを考慮した勇気ある一歩であるように思えてならない。
契約終了を転機として、YUKIはまた新たなステージに上がっていくかもしれないのだ。
今後の進路はどうなるか
YUKIの今後については、さまざまな憶測が飛んでいる。
とりあえずは個人事務所に所属となるようだが、これまでと変わらないようなソロ活動となるのか。それともプライベートを重視した控えめな活動となるのか。まったく未知数のままだ。
巷ではJUDY AND MARYの再結成も噂されているが、その可能性ももちろん捨てきれない。
かつてのメンバーは全員何かしらの形で音楽に関わっているため、YUKIの独立がきっかけとなってJUDY AND MARYが復活することもありえなくはないのだ。
いずれにせよ2018年は、YUKI本人にとってもファンにとっても、波乱の幕開けとなることが予想される。
変わっていく音楽業界を楽しむ
音楽業界は、さまざまな理由や要因によって変化していく。今回のYUKIの独立も、1つの時代の変容を意味するのかもしれない。
だがこの変化は面白みであり、よりよい音楽を生み出すプロセスでもある。私たちリスナーもこういった変化に対応して、いつまでも音楽を楽しめるような感覚を持ちたいものだ。
YUKIの変化が音楽業界とどのようにリンクしていくのか、期待して待ちたいと思う。