年末が近づいてくると、音楽ファンにとっては紅白の出場者が気になるところ。
2017年も数々の音楽アーティストが活躍し、その魅力を発揮してきた。しかし「紅白」というくくりから考えてみると、今年はお茶の間にもアピールできる万能なアーティストが不足しているという意見もある。
紅白は音楽ファンのイベントであると同時に、日本全土を巻き込める普遍性のある音楽を鑑賞する場でもある。みんなで口ずさみ、歌って踊れるような紅白向きの音楽は、果たして間に合わないのだろうか。
去年の目玉だったアーティストたち
昨年の2016年、どのようなアーティストたちが紅白を彩ったのか覚えている人はどれくらいいるだろう。
赤組はトップバッターを飾った「PUFFY」(以外にも初登場)や、話題となった楽曲「サイレントマジョリティー」を披露した「欅坂46」。後に休止発表を行う「いきものがかり」は2006年発表の名曲「SAKURA」を歌って反響を呼んだ。宇多田ヒカルも初登場を果たし、かなり豪華な様子であったことが思い出される。
白組はとにもかくにも、日本中を「恋ダンス」で魅了した「星野源」の存在が大きい。さらに2016年に再結成を果たしたバンド「THE YELLOW MONKEY」や、来年20周年を迎える「KinKi Kids」が初登場。さらにCM曲で話題となった「海の声~みんなの海の声バージョン~」を披露した俳優「桐谷健太」も、白組が送る目玉の1つであっただろう。
2016年を振り返ってみると、なかなか充実した内容だったように思える。2017年は、このラインナップと比べられることになるので、ますます参加アーティストに注目が集まるだろう。
紅白に求められるアーティスト性とは
音楽フェスやイベントとはちがい、紅白の出場にはある程度の共通認識が必要となる。そのアーティストがどんな歌を歌い、どんなパフォーマンスを見せるのか、最初から知られていることが望ましい。「安心して見れる」という前提があってこそ、紅白という舞台にふさわしいといわれる傾向があるようだ。
その共通認識という感覚が、とてもわかりやすかった事例がある。去年の紅白で「前前前世」を披露した「RADWIMPS」だ。彼らの音楽はどちらかといえば、マニアックな部分が多かったように思われる。しかし大ヒット映画「君の名は。」の影響で、「RADWIMPS」がどんな歌を歌うのかは事前に知れ渡っていた。その点を評価されて、2016年の紅白初出場を飾ることができたのだろう。
2017年の紅白に出場しそうなアーティスト
2017年も、この共通認識を持つアーティストに期待したいところだ。現段階で2017年の紅白に出場しそうなアーティストを予想するのなら、以下のようなメンバーが考えられる。
安室奈美恵
来年での引退を発表した「安室奈美恵」は、紅白としてはぜひとも呼びたいゲストの1人だろう。しかし彼女は2003年以降紅白の出場を断っているので、今回も交渉は難航するのかもしれない。
桑田佳祐
朝ドラ「ひよっこ」に主題歌「若い広場」を提供して話題となった「桑田佳祐」も、有力な候補の1人。出場のタイミングとしては十分あり得るだろう。
小沢健二
今年復活を遂げた「小沢健二」も、紅白のゲストとして非常に魅力的だ。近年常連となっている「SEKAI NO OWARI」とコラボした「フクロウの声が聞こえる」があるため、出場すれば白組が盛り上がることは間違いない。
2017年は果たして不作なのか?
2017年も、魅力的なアーティストや楽曲は他の年に引けを取らないほどに誕生した。しかし紅白を彩るタイプに限ると、なかなかすんなりと名前が上がらないのも事実だろう。
しかしいざ出場者が発表されてみれば、「こんな豪華だったんじゃん!」と思うこともあるだろう。ある意味で紅白の出場者発表こそ、今年の音楽業界を総括して評価するタイミングとなる。音楽ファンは発表の瞬間をこころして待とう!