今さらだからこそSEKAI NO OWARIがこころに沁みる

その奇抜な見た目と独特な演奏風景が話題となり、いつしか国民的なバンドの一部となったSEKAI NO OWARI(セカオワ)。

いわゆるイロモノ扱いされがちなSEKAI NO OWARIだが、実際には人気に見合った実力を持っている。

何よりも聴いてみると、彼らからは王道をいく正統派バンドの一面がうかがえるだろう。

それを踏まえて彼らの音楽に触れると、これまでにはなかったような親密感と期待感によって、涙腺を刺激されることになる。

筆者のように、今さらSEKAI NO OWARIに感動する人も増えるかもしれない。

今回は彼らの音楽が持つ「王道」に焦点を当てて、奇抜さに隠されたSEKAI NO OWARIのベールを脱がしたいと思う。

見た目が彼らの武器であり弱点?

SEKAI NO OWARIといえば、ピエロの格好をしたDJ LOVEをはじめとした、奇抜でオシャレな衣装が印象的なバンドだ。

そういった衣装は世界観を確立するのに役立ち、1度見たら忘れられない存在となるだろう。

Tarkus

あまりにも多くのバンドが活躍している昨今では、その唯一無二の見た目は確かに武器となる。

しかし同時に、見た目から音楽に対する先入観が生まれてしまい、正しく評価されないという恐れもあるのだ。

特にSEKAI NO OWARIは、ライブのセットや歌詞にまでその世界観をしっかりと反映している。

「変わったバンドなんだろうな」と思ってしまうのも、仕方のないことだろう。

それは熱狂的なファン層を手に入れることにはなったが、それ以上のステージに進むことがむずかしくなるもろ刃の剣でもあったのだ。

そのためSEKAI NO OWARIは順調なデビューを飾りながら、国民的なバンドへの一歩をくすぶる日々が続いた。

王道であることに気づかれるきっかけ

彼らの音楽が王道であることに気づかれたのは、とある楽曲がきっかけとなっていると思われる。

それはアニメ映画の主題歌にもなった4thシングル「RPG」だ。

RPG

それまでは独特の世界観のなかに周囲を取り込むような楽曲が多かったが、RPGはむしろSEKAI NO OWARIがリスナーに歩み寄ることで成立している。

誰にでも理解できる歌詞と、ファンファーレのように鳴り響くメロディは、多くの人の共感呼ぶことになった。

そしてRPGを聴いたとき、おそらく多くの人がSEKAI NO OWARIの持つ「王道性」に気づかれたことだろう。

彼らは奇をてらっているわけではなく、彼らなりの王道を持っているのだ。

それを証明するようにRPGの発表後、彼らは「スノーマジックファンタジー 」「炎と森のカーニバル」「Dragon Night」と立て続けに王道性を感じられる楽曲を発表。

炎と森のカーニバル

スノーマジックファンタジー

Dragon Night

特にDragon Nightgは王道と邪道が見事に絡まりあった名曲だといえる。

今さらだから、聴いてほしい

SEKAI NO OWARIの王道性に1度気づくと、すべての楽曲からその要素を見つけることができる。

そのため改めて過去の音楽を聴いてみると、「なるほど!」とうならされてしまうこともしばしばだ。

彼らは最初から、王道から出発しているのかもしれない。

INORI

それを隠していたのか、それとも表に出す術を絵得していなかったのかは、我々が勝手に想像するしかないだろう。

とにかく現在の事務所に移籍する以前の楽曲を、彼らの王道性を理解してから再び聴いていただきたい。

おそらく、SEKAI NO OWARIがもっと好きになることだろう。

王道は広がっていく

音楽好きのなかで、SEKAI NO OWARIを知らないという人はもうほとんどいない。

そのためか、近年の彼らはかなり安心して楽曲を作り上げている印象を持つ。

RAIN/Short Version

大衆向けというと聞こえが悪いが、誰でも気兼ねなく聴ける音楽を作るという意気込みは、SEKAI NO OWARIをさらに大きなバンドとしてくれるだろう。

今後彼らの王道がどのような形で表現されていくのか、ぜひとも注目していただきたい。

今さら聴くからこそわかる彼らの良さが、じんわりとこころに沁み入るかもしれない。

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