
大人の女性のリアルを歌うシンガーソングライターNakamuraEmiのメジャー3rdアルバム「NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5」が3月21日にリリースされた。
アルバムのリード・トラックとなる「かかってこいよ」は、4月からTBS系列で放送開始となる『あしたのジョー』連載開始50周年を記念して制作されたオリジナルアニメ『メガロボクス』のエンディングテーマとして書き下ろされたナンバーだ。
アルバムリリースに合わせ全国22カ所を回る「NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5 ~Release Tour 2018~」も予定されており、芯のある”日本の女”を歌い続けるNakamuraEmiのメッセージがテレビやラジオ、ライブを通じて全国に届けられる事になる。
リアルを歌うNakamuraEmiのパワー
NakamuraEmiは保育士として社会人デビューしながら、ミュージシャンになることを目指しドロップアウトした後、10年あまり様々な職を転々としながら音楽活動を続け、2016年に33歳でメジャーデビューしている。
NakamuraEmi / かかってこいよ
デビューアルバム「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST」に収められた「YAMABIKO」は全国のラジオ局でパワープレイされ、NakamuraEmiの強い歌声と心に響くメッセージが全国に知られるようになった。
芸能プロダクションのゴリ推しや、音楽そっちのけのビジュアル攻勢がはびこる国内ミュージックシーンで、純粋に自分の歌だけで道を切り開いてきたNakamuraEmiのリアルなメッセージは、生き辛い現代を生きる多くの人に寄り添う「応援歌」として支持を集めている。
NakamuraEmi / YAMABIKO
NakamuraEmiの「普通」を知る女性の価値
日本のミュージックシーンは、とかく女性の「若さ」に価値を付けがちだ。
アイドルであれば小学生くらいからステージに立たせ、20歳を越えれば早々に”オバサン”扱いし、バンドやシンガーソングライターであっても「現役高校生」や「現役中学生」という肩書を付け、足の速い鮮魚のように市場に出荷する。
そんなイカレた若年信仰が蔓延するミュージックシーンの中で、大人としての分別の末に音楽を志しデビューしたNakamuraEmiの歌うメッセージは、若くして芸能の世界で生きてきたシンガーソングライターには表現できないリアリティを持って、心に響いてくる。
大人の言うことを聞け / NakamuraEmi
彼女が過ごしてきた「普通の女の子」としての生活は、多くのアイドルやアーティストが、10代の頃から色々な想いを呑み込みながらステージに立ち続け、スターダムを登り切った末に「手に入れたい」と願ったものだ。
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日本の女性シンガーソングライターの代表とも言える松任谷由実は18歳でデビューしており、デビュー後すぐにブレイクしたので芸能以外の職に就いた事が無い。中島みゆきだって大学卒業直後にデビューしているので、まともな社会人経験など持たない。
NakamuraEmi / Don’t
多くの女性から共感を呼んだ竹内まりや、広瀬香美、大黒摩季といった往年のシンガーソングライターも、彼女と同世代のaikoや宇多田ヒカルも10代から20代前半にはデビューしており、日本の女性シンガーソングライターで社会人として就職した後、10年も下積みを経てデビューしたアーティストなどほとんど見当たらない。
日本で活躍する女性アーティストの多くは、未熟な自分の価値を見つめ直しリクルートスーツを着て企業を回る様な事も無く、つまらない仕事の中にわずかな”やりがい”を見つけて重い足を引きづりながら通勤電車に乗り込む事も無く、新しく入った使えない新人の教育に頭を悩ませた事も無い。
NakamuraEmi / 使命
NakamuraEmiの歌には、そんな多くの女性アーティストが知る事も無い「普通の生活」に根差したリアルな心情が込められている。そのリアリティは特別な共感を呼び、聴く人の心に響いてくる。
そんなNakamuraEmiのメジャー3作目となるニューアルバムには、デビュー後に急激に変わっていった自身の生活環境に戸惑いながらも、改めて自己認識されたアーティストNakamuraEmiの核となる揺るぎないメッセージを受け取る事ができる。
日本のミュージックシーンにおいて、特別な存在であるNakamuraEmiの「日本の女」としての経験に根差した歌に、これからも心震わせていきたい。